第10話 乱乳義妹
食事を終えた後、直斗は一番風呂を貰うことになり、今はシャワーで身体を洗い終えて、湯船に浸かったところだ。
「ふぅ……」
心地良い温度の湯船に浸かると、身体の疲れが取れていく。
前の家のアパートと違い、風呂も綺麗で使い心地が良く、浴槽も脚が伸ばせて快適だ。
今日は引っ越しの荷造りと荷下ろしで、重い荷物をたくさん持ち運びしたため、背中から肩にかけて筋肉が張っているように感じる。
首を回して、手で自分の肩を揉みほぐすようにしてると、不意に脱衣所の方から声を掛けられた。
「直斗兄。湯加減はどう?」
「おぉ、秋穗。いい感じだぞ」
「そっか! なら、せっかくだし私もお邪魔するね」
「おう……って、はぁ⁉ ちょっと待て⁉」
いきなりとんでもないことを言われ、びっくりして脱衣所の方へと視線を向けた途端、無情にも風呂のドアが開かれる。
直斗は咄嗟に顔を逸らした。
「ちょっと⁉ 何してんの⁉」
「何って? 直斗兄を癒しに来た」
待って、確かにさっき癒してあげるとは言ってくれたけども……そう言う意味だったの⁉
「待て待て、この年になって一緒に風呂入るとか、常識的に考えておかしいだろ!」
「えっ……でも、楓さんとは一緒に入ってるんだよね?」
「なんでそこで楓が出てくるんだよ!」
まあ確かに、一緒に入ったことがないって言ったら嘘になるけど!
「そもそも、楓は俺の彼女であって、秋穗は妹だろ! 一緒に風呂に入るとしても、常識ってものがあってだなっ!」
「直斗兄の知ってるその常識って、誰が提言したの?」
「へっ? そ、そりゃ……世間一般的な意見で……」
「その世間一般って、誰のこと?」
「そりゃ……国だよ国」
「でも、私達は兄妹でも義理の兄妹。法律的には何も問題ないよ?」
「大ありだよ!」
「どうして?」
「どうしてってそりゃ……俺には彼女がいるからだよ」
直斗が懸命に異論を唱えている間にも、タオル越しから秋穗の胸元がちらちらと見えてしまう。
タオル越しでもわかるその豊かな胸元は、秋穗の発育の良さを感じ取れる。
もちろん、楓とは比べ物にならないほど大きくて……。
って、何自分の彼女と妹の胸を比べてるんだ!
「何も言わないってことは、一緒にお風呂に入ってもいいってことだよね?」
直斗がおっぱいのことばかり考えていて黙っていたのを肯定と捉えたらしく、秋穗は後ろ手で扉を閉め、そのままバスチェアへと腰かけると、タオルをシュルシュルっと脱ぎ捨て、白くてきめ細やかな背中を披露する。
その美しさに、思わずごくりと生唾を呑み込んでしまう直斗。
恐らく、秋穗の裸体を見るのは小学生以来だろう。
成長した彼女の身体は、とても魅力的で扇情的だ。
これ以上はまずい……。
「俺、先に上がるから!」
直斗はバット立ち上がり、湯船から急いで出ると、ドアを開いて脱衣所へと逃げる。
風呂の扉を開けた途端――
「あれ、兄さん。もう上がってしまうのですか?」
脱衣所には、もう一人の妹がいた。
しかも運悪く、彼女はタオルすら巻いていない、あられもない姿で……。
「ゆ、雪穂⁉ なんでお前まで裸なんだよ⁉」
「兄さんと一緒に入浴しようと思いまして……ダメでしたか?」
「当たり前だろ! 俺たちは兄妹だぞ⁉」
と言いつつも、直斗の視線は自然と彼女の裸体へと向かってしまう。
秋穗とは違い
真っ白でモチモチしていそうな質感の肌。
そして、小ぶりながらも柔らかそうな胸元。
今すぐにでも抱きしめたくなるような、愛くるしい雪穂の身体。
直斗が思わず凝視してしまうと、雪穂は恥ずかしそうに両手で自分の身体を抱くようにして頬を染める。
「そ、そんなにじろじろ見られると、流石に恥ずかしいです……」
「わ、悪い……」
しばしの沈黙の後、雪穂はすっと手を前に出して直斗を風呂場へ押し戻す。
「たまには家族水入らず、裸の付き合いもいいじゃないですか。常識にとらわれてはいけませんよ兄さん」
そう言って、直斗が風呂へ戻されてしまったところで、雪穂は後ろ手に扉を閉めてしまう。
兄妹三人があられもない姿で風呂にぎゅうぎゅう詰め。
髪を洗い終えた秋穗は、くるりと首を後ろへ向けた。
「おっ、片づけ終わったの?」
「うん。一緒に入りに来たよ」
「それじゃ、先に直斗兄と一緒に湯船に浸かってて」
「分かった。さっ、兄さんは浴槽に戻ってください」
直斗はさらに雪穂に手で押し込まれて、浴槽へと戻されてしまう。
雪穂はシャワーを秋穗から手渡されると、その場で身体を軽く流してから、浴槽へと入ってくる。
待て待て待て、なんだこの状況は⁉
いくら兄妹とはいえやりすぎだ!
直斗と二人は義理の兄妹。
万が一なんてことがあったら、ただじゃすまない。
出口は妹二人に塞がれ、無理矢理出て行くのは難しい状況。
直斗は一体、この人生最大ともいえる危機を無事に乗り越えられるのだろうか?
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