第2話 無茶苦茶

その後はフェンリルと話しながら家に帰った。

そして家につきドアを開ける。

「ただいま~」

「おかえり~、今日は遅かったわねぇ」

「母さん、相談なんだけどうちで犬飼っていい?」

「犬?そんなの飼っちゃダ・・」

「クゥ~ン」

「あら可愛いワンちゃんね」

「クゥ~ン」

フェンリルが鳴きながら母さんの足に前足のっける。

「怜人、この子お腹空かせてるんだわ、これあげるから、近くのペットショップでドッグフード買ってきなさい!」

「え、でもダメって言わなかった?」

「何のことかしら?いいから早く!駆け足!」

(手のひら返し早すぎだろ、まぁフェンリルがう

ちで飼えそうだから良いか)

俺は駆け足で近くのペットショップにドッグフードを買いに行った。



「あんた可愛いねぇ~もっと食べていいんだよ」

「ワン!」

俺は今晩御飯を食べている、母さんはというとフェンリルの横に座って飽くこともなくずっと眺めていた。

確かに今のフェンリルはモフモフで程々のサイズなので可愛い、ただ元のサイズを知ると目に変な色眼鏡を掛けて見てしまう。仕方のないことだ。

流石に母さんと一緒にフェンリルを眺める気力もないので退散するとしよう。

「ご馳走様」

俺はそういうと食器を片付けて自室へと戻った。



「もう眠いし寝るか…」

「え~主もう寝るのか」

フェンリルが来たのかと思って振り返ると俺みたいなやつがいた。

「誰だ??」

「分からぬのか?フェンリルだぞ」

「いや狼の姿じゃないじゃん」

「あぁ、主に姿似せてるからな」

「何でもアリかよ」

「違いといったらこの目と髪と尻尾か」

フェンリルは琥珀色の目に濃い灰色の髪と淡い灰色の尻尾を俺に重ねた姿だ。

「姿変えようと思えば何でも変えれるのか?」

「そうだな。外出する時はこの尻尾を消しておくか」

「待て待て、お前その姿で外出する気なのか?頼むから止めてくれ変な噂がたつ」

しかしフェンリルはお構い無しに別の話題に移る。

「そうだ、いい忘れていたな我の能力を…」

「能力?そんなものまで持ってるのか?」

「あぁ、我の能力は【全てを喰らう】という能力だ」

「全てを喰らう?」

「簡単に話すと概念や法律、約束事、記憶などありとあらゆるものを喰うということだな」

「そんなの無茶苦茶だろ!?何でも出来てしまうじゃないか」

「勿論、使うのは良識の範囲内だぞ、そして主は我と契約したのでその恩恵として身体能力が飛躍しておるぞ。明日試してめるといい」

そこまで言うとフェンリルは欠伸をした。

「では眠くなったので先に寝させてもらうぞ主」

そういうとフェンリルは人の格好のまま俺の布団に入って寝てしまった。

「これ親に見られたらどうするんだよ…」

しかし寝てしまったものは仕方がない、気持ちよく寝てるときに起こされるのがどれだけの苦痛か分かっているので、フェンリルを起こさないように布団の空いたスペースに体を入れる。

(今日は色々ありすぎた…な…ぁ…zzz)

そうして俺も眠りについた。




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