いじめられっ子の俺を助けてくれたのは全てを喰らうフェンリルです

カムカム

第1話 邂逅

俺は高校1年生の神崎怜人だ。

男なのだが顔が中性的なので私服でいるとたまに勘違いされる。

そしてこんな顔なので入学当初からいじめられていた。

高校1年生の夏俺はいじめグループのやつらに呼び出されさんざん殴られ蹴られた

挙句、川に突き落とされた。



(う、あいつらに殴られたから腕が動かねぇこのままじゃ溺れてしまう)

俺は人並みには泳げるのでこの整備された川なら泳げなくもなかった・・・そう普段なら。

だが今はやつらに殴られたり蹴られたりで腕がうまく動かないというわけだ。

どうにか浮くことができているが服が水を吸ってそろそろマズくなってきた。

そしてだんだん体が沈んできた。

(う、ここまでなのか・・・)

(今まで15年ちょいの人生、まだまだ色々したかったな)

次に幼馴染の西条雪の顔が浮かんできた。

(ごめんな雪もう俺ダメそうだ・・・)

遠ざかる意識のなかで何か濃い灰色の物が飛び込んできたような気がする。



(あれ?死んだにしてはなんか変だな)

手を動かしてみる。

モフッ

何か柔らかいものがある。

モフモフ

目を開けてみると濃い灰色の毛が見えた。

「ん?なんだこれ」

「やっと起きたか、主」

「主ってどういうことだ・・よ・・・」

俺は後ろを振り向いて黙ってしまった、そこにいたのは明らかにどこっからどう見ても狼(?)の顔があったからだ。

「何を驚いている?」

「え、何?狼?いや何で言葉喋ってるの?」

「質問が多いな、我はフェンリルまぁ名前ぐらいは知っておろうそして長生きだから言葉も喋れる」

「へぇ~、いやそうじゃなくて何でフェンリルが此処にいるんだよてか神話上の生き物じゃないのかよ」

「我は主の中にずっとおったぞ、主が死にそうだったから出てきた」

「助けてくれたのか。ありがとう(色々突っ込ませろ)」

「礼には及ばぬ。なんせ主だからな」

「ところで主、我と契約せぬか?」

「契約、どういうことだ?」

「簡単に言えば我と主が繋がるということだ主は身体能力が飛躍する、あのいじめてきてた小僧らを黙らせることもできるようになる」

「で、どうやって契約するんだ?」

「話が早くて助かる、我の頭に手を置いてくれ」

言われた通りにフェンリルの頭に手を置く。

すると手の周りが淡く発光した。

「これで契約完了だ」

「特に変化はないようだが」

「主の怪我はどうなっている?」

「全部治ってる・・・」

「そういうことだ」

「主よ我を家に住まわせてくれぬか?」

「いや、そうしてもいいけど・・・」

「何かあるのか?」

「このサイズはむるがあるだろ!」

フェンリルの大きさは4mは超えている流石にこのサイズでは飼えないのは明白だ。

「なら、こうすればいいか」

そういうとフェンリルの体が縮んで中型犬ほどのサイズになった。

「それなら大丈夫かも」

「そうか♪では帰るか」

そういって俺たちは帰路についた。



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