地下シェルターでコンピューターに管理されながら生活する人類が、ある日を境にいきなり毎食ギョウザ責めに遭うお話。
本当にタイトル+章題の通りの、一応ディストピアもののSFです。一応、というのは「設定上はそう(地下での避難生活を余儀なくされているため)」という意味で、実際にはいうほどディストピアでもなさそうというか、むしろ平和で安穏とした日常を送っているっぽいところが最高でした。すんごいほのぼの感。童話みたいなですます調も含めて、なんだかゆるふわ四コマみたいな優しい世界。
キャラクターが好きです。もうとにかくかわいい……! 特に固有名詞の出てこない〝人類〟たちの、でもしっかり個性のあるところ。そしてもちろん、実質的な主役たるコンピューター様の魅力的なこと! 彼ら彼女らの個の魅力もあるのですけれど、なによりその作り上げる世界というか、この個性を踏まえて回っているこの作品世界そのものが、どうにもかわいく愛おしいのがたまりません。
肩の力を抜いて気軽に読める、ほのぼのコメディ風のSF。地味にギョウザの描写がいちいち美味しそうなところも含めて、本当にほんわかした気持ちになれるお話でした。好き〜!