41.パーティメンバー募集中
“ゴクン”
細長い試験管のような、コルク栓付きガラス瓶を満たす魔女の秘薬(?)。その毒々しい黄色の液体を具合の悪そうな魔女が一気に飲み干す。
「……うぇっ。相変わらず酷い味だわ。我ながら、効果は抜群なんだけど、こればっかりはどうしてもねぇ」
薬を飲み干した魔女の顔色が、みるみるうちに回復する。薬が苦いのか、渋い表情をしているものの、先ほどまで二日酔いに苦しみながら青い顔をしていた頃の面影は微塵も感じられない。まるで美女に変身する薬でも飲んだかのように、そこに気品溢れる銀髪の美少女が佇んでいる。
ところで、その薬……もしかして、ウコンとか使ってたりしません? 俺の世界のCMでよく見るあのドリンクと同じ成分なのでは。
「あなたたちもいかが? 人のこと言えないけど、昨夜は飲み過ぎたでしょう?」
「あ、いや。俺らは大丈夫。なんたって、腕利きシェフのセトメさんが、朝イチで、二日酔いに効くスープを作ってくれたからな。 もちろん効果は抜群! それでいて、安定の美味さだったなあ」
「買い被りすぎですよ、もう……」
ドヤ顔でイキる壮亮。嬉しそうに照れ隠しをするセトメ。
「えー? なによ、そんな良いものがあるのなら、先に教えて頂戴。損しちゃった気分だわ」
「もう残ってねーよ。お前がレラと一緒に寝てる間に全部食べちまったし」
ここで、誰かが
「はいはい、お客さん方? あたしを
レラが串を“ヒュン”と放る。狙い通り、壮亮の額に直撃。
「
「へーき、へーき。万が一、当たっちまったとしても、《新しいお友達》に頼んで、目ん玉に良い飯でも、無くなった目ん玉が生えてくる薬でも、何でもこさえてもらえばいいでしょ? ふんっ」
そっぽを向いた先で、自身へ浴びせられていた魔女の視線に気が付くレラ。まるで、珍しい動物でも見つけたかのような、どんぐり眼で真っ直ぐに見つめられていたので、思わずたじろいでしまう。
「あ、あんだよ……文句あんのか……?」
魔女が、レラから壮亮へと視線を移し、眉の端を下げて首をかしげる。
「ねぇ、大丈夫なの? あの子、今の様子だと、十中八九、引き受けてくれないと思うのだけれど」
「あ……いや……。うん……それは流石に俺も、何となくそんな気はしていまして……どうしたものかと」
「あ? 何の話さ?」
眉をひそめて首をかしげるレラ。彼女に向き直り、頭を低くして、両手をくすねながら、いやらしく愛想笑いをする壮亮。
「へへへ……あの……レラさん? 大変、不躾なお願いで恐縮なのですが……そのぉ……」
「僕と一緒に、《お宝探し》……しませんか?」
……静寂。風が吹き抜ける音と、
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