第4話

背後に感じる汚らしい気配は一向に

消えない。


全力で走っても消えない。


俺は、どうすることもできず

いつも耐える。


怖い、怖い…はぁ疲れた。


家に着いたらみんなに会える


だから今日も俺は、耐える


そして、家について気持ちを

切り替える


そして俺は、今日もパソコンに

向かう


―――

「皆さんおはようございます、朝の

SHRを始めます」


先生が教壇に立ってもこのクラスは

少し騒がしい


「じゃあ、明日の身体測定の……」


先生が明日の説明をしているとき

前から話し声が聞こえた


「りん~今日誠也君来てなくない?」


「それな~どうしたんだろ」


そう話していると、教室の扉が

開いた。


「おっ、噂をすれば、誠也君きた~」


現れたのは金髪のショートカットの

イケメン男子。


「私たちの周りもあんなにイケメンな

人がいたらな~」


俺のほうを見て言われた気がする…


「山口君おはようございます、遅刻

するときは何か連絡するようにしてね」


「……すみません、以後気を付けます」


微笑みながら彼は答える

俺はその表情を見て限界に近い

ことを悟った。





 






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