作者に逆恨みする心理の分析と応用②機会ロス対策
「駄文を読まされた!時間をロスした」
このような苦情にどう対処すればいいのでしょう。ランキング、おすすめレビュー、検索タグなど性善説に頼るアナログな予防策は不十分です。
いちおう「この作品の読者はこんな作品も読んでいます」と案内表示されます。しかしこれも慰めにはなりません。
人間は損失に対して精神的苦痛を感じるようにできており、それも肉体的な痛みと同質であるという研究があります。大脳には情動を司る扁桃体という部分があり社会脳とも呼ばれています。MRIによる検査で被験者が損失を感じた際に偏桃体が活発化するそうです。
また人が何を期待しどのように意思決定するかについて、プロスペクト理論はこう述べています。
①人は利益に対してより確実性を求める。
②損失に対してはリスクを取ってでも回避しようとする。
このような行動がある限り作者に対する感情的な反応は避けられないでしょう。
①は無料で読めることで恩恵を被っているのですが、どうせタダならもっと面白い作品を楽しみたいという欲望につながります
②は無料作品の質に見切りをつけて、有料作品を購読するという消費行動につながるはずなのです。が、前提して①があるため、なかなかそうもいかない人もいるのでしょう。
おそらくこれが「読んでやっているのだから面白い作品を書け」「読んで損した!時間を返せ」という怒りにつながるのではないでしょうか。
これらの救済方法としてはレビュー機能の更なる改善に期待するしかないのでしょうか?
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