作品と作者の人格一致考②ピストル撃ったらテロ予備犯か?
■ 射撃経験のある人間は殺人に鈍感か
刑事ドラマ、ミリタリーアクションを書いている人に
実弾を撃った経験者はどれぐらいいるのでしょうか。
私の場合は不随意的な機会に恵まれました。
まだハラスメントという言葉が一般的でなかった頃、勤務先の社長がハワイに行くと言い出したんです。
ゴルフに興味がない社員を何故、強引に連れて行くのか不思議でした。
着くなり、俺は『知り合い』とコースを回るからお前は独りで市内観光してなさいとホテルに放置されました。
ああ、そういうことだったのね。と。
しかたがないから名所旧跡めぐりでないアクティビティを探したらフロントで観光射撃を進められました。
え~っ?と思いましたが好奇心に負けました。
インストラクターの男性はとても親切で銃を持つ者の心構えから人を殺める行為の何ぞやまでみっちり教えてくれました。
それでリボルバー拳銃からサブマシンガンまで一通り撃ちました。
機関銃は一連射百五十ドルとか言われたけど、その値段で生涯体験が買えるなら安いものです。その時に得た恐れや躊躇や葛藤や呵責や興奮や快感は生々しく創作に活かされてる。
それで「ヒャッハー!」なキャラクターの心理描写に役立ってる。
拳銃は36発撃って24発ブルズアイしたので人を殺める才能はあると思う。
だからと言って危険視されるのは心外です。
腕前を過信したり自己陶酔する愚か者に成りきって第一人称で書くことはできますけど、それ普段は筆と一緒に引き出しに仕舞ってますから。
殺人鬼と推理作家は一致しないし、ヒット曲の作者が薬物犯罪者だったりする。
部分集合から作者の非難材料を採取する時点で創作論もへったくれも無い。
そういう意味合いで『創作論』は終わっていくのかな、と心配してみたりする。
あっ。いえいえどうぞご自由にお書きください。
法を順守し規約やガイドラインに従う限りは何を書こうが表現の自由です。お互いの正義を堂々と世に問いましょう。
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