第9話:私としては困るんです。
あーなんでかもやもやする。別にいいんですが。まあ、なんでかね。と私自身にいい聞かして納得させようとするが納得がいかない。
なんかめっちゃ顔にやけてるし、だらしない顔してるし。あからさまに態度が違うんだよね。本当に。
態度もそうだけど、私の時と全然違うでしょうが。
あんたの笑う顔が私の時と違うのが一番もやもやする。
てか、たまーに他の女子と話すときとか普通のくせにどうなのよ。
嬉しそうな顔や楽しそうな顔を見ているのが嫌だ。私の側でそういう顔をするのは別にいいんだけどね。
私には見せない顔をするあんたが嫌い。こっちを見て欲しいのに。
目で追ってくれないのが嫌い。
私はそんなあんたを見ているのが嫌だと胸がチクリと痛くなる。
不快な気持ちのままあんたに八つ当たりする自分が一番最低だ。
足元がジワジワと負の感情に侵食されていく。そのまま沈み込んでいってしまう気がして目を伏せていたくなる。目を伏せても身体中にまとわりつく真っ黒な物は離れてくれない。
言い聞かせてもやっぱりしっくり来なくて、騙して我慢しようにも出来ない自分がいる。
納得がいかない。
あんたが他のやつを目で追ってほしくない。
嫌だ。嫌だ。嫌だ。頭の中で自分の声がこだまする。私の見たことない顔をするあんたの顔を見たくない。
私を見てなんて言えればいいのに。前に進もうとすると足に足枷がついていているかのように前に進まない。それとも、地面と足の裏でも縫い合わせてしまったように一歩も足を出せない。
今日のは完全にあいつに自分から絡みにいって自爆した。本当にやってしまったと私は思った。
問い詰めるつもりなんてなかったのに。自分からにじり寄って勝手に不機嫌になって当たり散らしていた。
私の自分勝手の気持ちを押し付けて私の望んでる答えをくれないからって至極最低です。本当にね。
あんたが嬉しそうな顔しているから、気になってちょっかいを出した。
本なんて何時だって返しにいけるのに。私はあいつがちょうど先生に掴まっていたからこのチャンスだと思い話しかけた。
ぶっきらぼうなあんたの顔やくだけた話し方は私だけの物。
こんな表情は私にしか見せていないはず。
子どもみたいに私は見せつけてるんだ。大切なものを取られたくないから。
大事な宝物を箱にしまい込みたい。
誰の目にも触れられたくない。
ねぇ。こっちを見てよ。
あんたはどう思うのかな。
子どもっぽい事してるって見てるの?
それとも興味なんてはなっからないの。
口にはまだ出してないけど、私は本気なの。
あんたが本気ならあたしも本気で望むよ。
今はまだ口ばっかだけど、そのうち口だけじゃない。体現してみせる。
アンタはどうなのよ。興味のあるそぶりなんてしてなかったじゃない。けど、アンタの考えている事なんて分からない。
結果的にグダグダと言っているが、アンタにアイツをあげたりしない。
・・・まあ、私のものでもないけどね。
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