第11話

「あっ! 昨日炊いたご飯……無い」

 思えば、昨夜は友達を泊めたんだっけか、いやまぁ、今もいるが。

「いつまでもあると思うな飯と酒……あ、やっぱり」

 冷蔵庫を確認したら五〇〇ミリ缶が二本と明太子が消えていた。野郎、明らかに夜中に起きてもう一献いっこん、楽しみやがったなと。

 時刻は朝の九時。休日の朝食をと……ベッドから這い出してきたのだが、まぁ仕方が無い。作る気力もうせたのでトマトを食べることにした。冷蔵庫から最後の二つを取り出してスライスする。100均の平皿に二列に並べたら一列目には塩を振り、二列目には、パスタに使う粉チーズとオリーブオイル。

 グラスに氷をいれたら紙パックの白ワインを注ぐ。盗み食いをした奴がおきてきても分けてやるつもりは無いので静かに朝の酒を楽しんだ。

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