第8話

「ゆうてなんだが、暑ぃな」

 起きて、ボンヤリとする。そして、タバコを吸う。キセルの刻みタバコはうまい。しかし、メンテナンスが面倒なので紙巻タバコを選んでしまう。両切りね。

 そして、麦茶をれる。

「焼酎は……まだあるか。さて、なにか食べるべ」

 よっこらせと立ち上がり、冷蔵庫を偵察に行く。田舎かから送ってきた食料、自然薯じねんじょ、ネギ、鯖の缶詰と……インスタントラーメン。

「あー」

 まぁ、何を食べるかは決まった。つか、選択肢が無い。

 鍋に水を張り湯を沸かす。グラグラするまでほおって置く。その間に自然薯じねんじょという山芋をおろす。インスタントラーメンの粉末スープを三〇〇ccの水に溶き、おろした山芋とすり鉢に入れて『のばす』。そんなことをしていれば鍋の湯が沸いてくるので乾麺を二人前、ブチこむのだ。 若いからいける。

 そしてドンブリにトロロと刻んだネギ、缶詰の鯖を均等に分け入れる。

「はい乾麺、時間ぴったり」

 タイマーを見なくても感覚でわかる。茹で上がった麺を水で〆て出来上がり。

「起きろバカ」

 両手がふさがっているので同居人を足でつつく。

「んっ、んん~ん」

 机にドンブリを置いて、一服つけた。

「メシ、できたぞ」

  

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