第4話 夏休み前③

「満艦飾先輩」


「損得勘定を顧みず世界の真理を探求するその姿勢っ……!!」



満艦飾 麻(まんかんしょく あさ)先輩 は一呼吸おいて、続ける。


「それでこそ我が沖島不思議調査団の一員だ!」


感動した、と悦に浸る先輩。

相変わらず声が大きい。階段の踊り場なので会話は同級生にもばっちり聞こえているだろう。


これは誤解を解かねばならない。

ともすれば夏休みに先駆け頭がハッピーになってしまったと思われかねない。 


「世界の真理なんて探しませんよ…、それにその不思議調査団とかいうのにも団員なんていないじゃないですか」


「君と!!私が!いるではないか!」


先輩は返答が不服だったのか、必死に明屋と自分を交互に指す。ついでに一層声が大きくなった。


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