第3話 夏休み前②
「やることならあるぞ、消防団に自警団、夏祭りの手伝いだって」
「それは海士の用事じゃん、しかも毎年やってるし」
教室から出た廊下で海士と合流した。
海士 拓真(かいし たくま)。家が近所で昔から一緒に育ってきた幼なじみだ。
………一緒に育ってきたはずなのに体は明屋を差し置き、随分とがっしりしたようだ。
その体躯を活かし、島内の奉仕団体への参加や催事よ手伝いなど頼りにされている。
「どれも島内奉仕活動の一環だろ。それに職能考査にも考慮されるみたいだし、やって損はないぞ」
「そういうのじゃなくてさ、何ていうか損得とか抜きしてやりたいことをやる、、みたいな?」
「ふーん、俺は島内奉仕もやりたいしなぁ、、一挙両得ってやつ?」
「お前は幸せ者だよ」
ははっ、と笑う海士を見上げ相槌を打とうとした言葉は
唐突な声でかき消された。
「素晴らしいぞ!!明屋後輩!」
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