第2話 『本流』

 父に言わせると、俺の力は、割と大きいのだそうだ。

父の弟は、『みる』ことくらいしかできなかったという。

だから、おまえは“本流”なのだと言っていた。

父や兄のように、第1子が繋げてきた家系。

俺の立場は、分家になるのだろうが、そうゆう血筋とは違う話で、本流と支流があるのだと。

大きな川の流れ、これが本流。

ここへ小さな川が流れこむ。一緒に流れたり、また分岐して流れたりする、これが支流。


自分が本流であると、疑いもしなかった。

彼に出会うまでは。



 お告げは、明日の高校の入学式で、大事な人と出会う。

会えば、わかる。

その人とこれからずっと 一緒にいることになるだろう。

というような感じだった。

そうか、俺と合流する支流なのだなと理解した。


 次の日、入学式。

門をくぐり、校舎の壁にクラスが貼り出されていた。

8組まである中で、1組から見ていくと、呆気なく俺の名前は1組にあった。


会えばわかるって、向こうから俺に近よってくるのかな~。

そんなことを考えながら、登校してくる生徒たちを見ていた。

その時、何百メートルも向こうから、大きなオーラがこちらに向かってくるのがわかった。

大きな大きな波。

その人を見て、びっくりした。

なんの色もない。

ものすごく、でかいオーラは感じるのに、色や形を判別できない。

手をかざしてよもうとしてみた。

全く、よめなかった。

初めてだった。


『よめない人』


そして、気づいた。

吸い込まれそうな茶色い瞳。


この人が“本流”なのだと。


俺は、この本流を更に大きくする為の支流なのだと。


大事な人と出会う。

会えばわかる。

お告げの通り。

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