没ネタ・導入部
ヒナミ「橘君……遅いねぇ…」
撃墜王最終日―
アタシ達はやっとの思いで校庭までの脱出に成功した
あとは正門のSSを突破さえすれば、全員が無事に帰宅出来る―
そう思った矢先、待ち受けていたのはSS一番隊隊長を名乗る女の子
美岬が気配を殺しアサちゃんとわたちゃんを救出
淳が囮を買ってでることでアタシ達は今こうして逃げ延びているのだけれど…
美岬「私、余計なことをしたのでしょうか……」
奈々瀬「……いいえ、そんなことはないわ」
あれからそれなりの時間が経ったが淳は未だにここ、集合ポイントに来ない
SSの一番隊隊長
突破した興奮で気が緩んでいたのかもしれない
それでも、誰も彼女の接近を察知出来ていなかった
恐らく真正面から戦ってどうにかなる相手ではない
ならばきっと、あの形こそが正しかったのだろう
麻沙音「私たちが残ったところで、兄は私たちを守りながら戦わないといけない…
だったらきっとこの方がよかったはずだよ。…畔さんのおかげってのが癪だけど」
美岬「麻沙音さんっ!」
麻沙音「うわ、ちょっ…だからってくっついていいなんて言ってないだろぉ」
アサちゃんの言うとおり、あそこにアサちゃんとわたちゃん、美岬の3人が居たら、みんなを守りながらあの女の子と対峙しなければならないのだ
だからきっとこれでいい…そう自分に言い聞かせているのだけれど…
でも何かがおかしい……この違和感は……何?
ヒナミ「そっか、だったら美岬ちゃんに感謝しなきゃね」
美岬「どういうことですか、わたちゃん?」
ヒナミ「だって、私たちが逃げられなかったら橘君、私たちを守りながら戦わなくちゃいけなかったんだよね。それって、とても大変なことなんだよね」
美岬「そんな、
奈々瀬「――!?」
そうだ……
あの時、何故アタシたちを見逃したのか……
美岬の気配遮断が活きたから?
本当にたまたまなの…?
それなら、後から追いかけたアタシは……?
1対2を不利だと判断して?
違う
あの女の子は逃げる美岬を、アタシを見て笑っていた
あぁ……だったら……きっと、違和感の正体はこれ……
あの女の子は……初めから淳を狙っていた?
麻沙音「……マズいね。このままだとここもそろそろSHOの巡回が来てしまう」
アタシの思考を遮るように、アサちゃんから危険を知らせる声が聞こえる
ヒナミ「でも橘君が…」
麻沙音「兄には私から連絡を入れておくよ。もう遅いし先に帰ってるって」
あぁ……でも、これなら……
奈々瀬「そうね。アサちゃんお願い出来る?」
美岬「…橘さんが心配ですけど、このまま待つわけにもいきませんよね」
奈々瀬「えぇ、淳ならきっと大丈夫。それより、アタシたちこそ帰りに気をつけないとね」
みんな……ごめん。アタシ……
ヒナミ「私は家が近いからきっと大丈夫だよ」
麻沙音「私も、今日はこれがあるから人を避けながら帰れると思う」
そういって、先ほどまで使っていたGPSを指さす
美岬「私は……またきっと気づかれないと思いますから……」
奈々瀬「……それじゃ、今日はみんな気をつけて帰りましょ」
今からでも……間に合うのかしら……
自宅のある方角へ四散したメンバーをみやりながらアタシは一人、山へと歩みを進める――
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