Bパート・2

奈々瀬「…はい、いかがだったでしょうか?今のが物語の導入として考えられていたお話になります」

美岬「ちょっと、私の活躍が無いじゃないですかっ!?聞いてた話と全然違いますよこれ」

奈々瀬「美岬が勝手に妄想してただけで、そんなこと一言も言ってなかったでしょ。それに、どのみち美岬がメインヒロインなんだから、この先いくらでも活躍の場はあるわよ」

美岬「それもそうですねぇ。主人公の大立ち回り、物語のクライマックスは一番いいところと相場が決まってますしね。…っていうか、前回から時間が空きすぎていませんか!?」

奈々瀬「なんでも、少しお仕事が忙しい時期が重なったとかで更新が止まっちゃってたらしいわね…相変わらずメタいけど」

美岬「その割には私、某競馬場で良く見かける気が…」

奈々瀬「ストップ!それ以上はダメよ!」

美岬「どどどうしたんですかっ突然!?今更この界隈で何を恐れることがあると言うんですか!」

奈々瀬「競馬場のお話は元々がデリケートな部分だし、最初に言った通りアタシ達は”非公式”でしゃべってるんだから…ね。そこは多少なりとも気を遣った方がいいかなー…なんて」

美岬「つまり、節度を守らずに公式に迷惑をかけることはしたくない、と。意外と考えなしにやってるわけでは無いんですねぇ。…っとそれにしても、本編では語られていなかった、私たちが逃げた後のやり取りからお話が始まるんですねぇ」

奈々瀬「えぇ、実際にはアタシがアサちゃんを送って行ったのだけれど…どうもこの物語の奈々瀬アタシは淳を信じきれていなかった、ということかしら?」

美岬「それに、視点も奈々瀬さんの視点でお話が進んでますね…。そして奈々瀬さんは山の方へと歩き出し…これって、淳之介くんを助けに行こうとした、ってことですよね」

奈々瀬「えぇ、そうね。確かに、あの時もしアサちゃんを送って行かなかったなら…アタシは淳の元へと向かったかも知れないわね」

美岬「それは!」

奈々瀬「えぇ、女部田さんと戦って勝機があるとは思えない。それでも、2対1なら、アタシと淳なら、勝てなくても逃げることが出来るかも知れない…。当時はそう思っていても不思議はないわ」

美岬「でも……」

奈々瀬「えぇ、そうね。女部田さんを知ってる今だからこそ、それが如何に無謀かは理解してるつもりよ。ただ、当時は知る由もない。そんなところから始まる物語…雰囲気も怪しげでなんとなく、嫌な予感がするわね」

美岬「思えば私たちって、いくつもの修羅場を紙一重でかいくぐって来ましたもんね。もし、あの時こうだったら…なんていうお話はいくらでもありそうな気がします…」

奈々瀬「えぇ…そうね。それこそ、B世界のような可能性、或いはもっと他の、絶望的な可能性…世界には色んな可能性、色んな世界があるのかも知れないわね。…考えたくはないけれど」

美岬「奈々瀬さん…」

奈々瀬「さて、それではこのまま先ほどの続きを皆様と一緒に見て行こうと思います」

美岬「変わり身早っ!?」

奈々瀬「ラジオだからね、あんまり暗くなり過ぎちゃうと聞いてるみんなの気分まで滅入っちゃうでしょ?ほら、美岬も元気が出るような面白いネタの一つでも言ってちょうだい」

美岬「そそそんなお話振られて私がマトモに返せると思ってるんですか!?

えーっと、えーと…今日はあいにくの雨ですねー。皆さんは洗濯物、もう干してきましたか?え?言ってることがしり・・滅裂だって?だって私ですからね、ドヤァ」

奈々瀬「……ごめん美岬。アタシが悪かったわ」

美岬「謝られると余計に惨めになるのでやめてくださいぃぃ」

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