子供達も闘いたい!
ランキング公式戦大会から2ヶ月ほど経った。
あれから中央の本大会にも参加して、優勝を飾りさらにランキングを上げた。
公式戦大会や野試合のエントリー数でトップにはなっていないが、グラン、レイラ共に12、13位となって#二桁台__セカンドナンバーズ__#入りしていた。
「いやー!すっかりお父様とお母様は時の人だねぇ~♪」
「そうだな。最近は野試合(デュエル)の申込みも多いよな!」
地方大会から王城のある一際大きい、本大会でも優勝した事で、国内外からの注目を集めた。
印刷技術も発達し、新聞モドキのような物が出回り、情報が国中へと広まっていた。
「早く私もでたいなー!」
「まぁ、14歳から参加出来るからまだ暫くは修行だな」
「むぅ~!」
シオンとレグルスは休憩中に、最近の話題を話し合っていた。その時、戦いたくてウズウズしているシオンに朗報が届いた。
「あっ!いたいた!」
兄レインがやって来た。
「二人に良い話しを持ってきたよ!」
「お兄様、どうしたのですか?」
レインは一枚のチラシを二人に見せた。
「えっと、なになに?【武術大会・子供部門】!?」
「えっ!?うそ!参加出来るの!?」
「そうなんだ。10歳未満の子供が参加出来る大会みたいなんだ。場所は王都だからちょっと遠いけど参加してみないか?」
「「賛成ーーーー!!!」」
シオンとレグルスは同時に叫んだ。
「やったな!シオン!?」
「ええっ!ようやく実力を試せるわ!」
二人とも萌えて………こほんっ、燃えていた。
それはもう、自分が優勝するのは当たり前の様に!
「これで優勝すれば父上に認めてもらえる!」
「優勝すれば欲しかったアイテムを買ってもらえるかも!?」
むふふふふ…………!!!!
はっ!?
「おい!シオン?そんな欲にまみれた理由で優勝しようっていうのか?」
「ええ、そうよ?当たり前じゃない!?」
ピシッ!?
何か亀裂が入った音が聞こえた。
シオンは異世界にきて、物珍しさから色々な物を買い漁る癖が出てしまった。発明で大量の金貨を稼いでいたことも理由であったが、大量に買いすぎて博物館を建てるほどだった。故に、両親の許可がないと、一定以上の物が買えなくなったのだ。
それに引き替え、レグルスも今後の将来の為に小さな大会でも優勝を真面目に狙っていたのだ。
「………お前とは決着をつけないといけないようだな!」
「あら?私と張り合おうって言うのかしら?」
うふふふふふ…………
はははははっ…………
二人はお互いに笑い合い、燃えていた。
「…………はぁ、二人ともほどほどにな」
唯一、大人なレインであった。
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「ほぅ、武術大会か?良いとも!参加しなさい!」
父親のグランは大賛成だった。
「お父様も2ヶ月後には剣魔大会があるのに、ごめんなさい!」
「何を言うか!大事な子供達の試合を見逃す訳ないだろう!余計な気を使うな!」
グランはシオンの頭をワシワシッと撫でた。
「じゃぁ、私達も応援にいかなきゃね♪」
「お母さんは自分達の修行は大丈夫なの?」
「1日ぐらい大丈夫よ。休息した方が身体に良いの!」
お母様、なにがなんでも観にくる気だ!?
「王都での大会となるとスピカ王女が出てくるかも知れないが、レグルスよ大丈夫かい?」
よく修行にくるスピカ王女との関係は良好だが、この大会で戦う事で関係が悪くならないか心配だったのだ。
「問題ありません!もし負けても、スピカを恨んだりしません!より自分を恥じて修行するだけですよ!」
まっすぐな目でグランを見て言った。覚悟は決まっているようだ。
「それに、スピカよりも倒さなければならない人物がいますからね!」
シオンをチラリと見たレグルスに─
「あら奇遇ねぇ?私も思い上がった誰かさんを叩き潰さないといけないのよ♪」
うふふふふふ…………
はははははっ…………
それはもういいから!?
「二人とも、もしかしたらとんでもなく強い同年代が参加するかも知れないんだから、油断しないようにね?」
レインだけは誰が相手でも油断しないように心に誓うのでした。
そして奇しくもレインの言った事は現実となってしまった。それを知るのはもう少し先のお話しです。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「取り敢えず、幼少期の時のバトルも書きたかったので。けっ、決してシ○タのイラストを載せたいからじゃないんだからね!(ツンデレ風)
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