ランキング、そして─

「なんだよ!あれは!?」


水の剣が一斉に剣士達に向いた。


「踊れ!秘技 《水神の剣の舞》!!!」


10本の水の剣が襲い掛かる!


「こんなもので!」


水の剣を弾きながらレイラに接近するが、弾いた水の剣は空中で止まり、また襲ってくるのでなかなか近付けない。


「一気に弾き飛ばす 《武技大円陣》!!!」


周囲に散らばる水の剣を一気に弾き飛ばした!


「今だ!覚悟しろ!!!」


守りがなくなった所を一気に攻めて距離を詰める。もうすぐ剣が届くと言う距離でレイラに異常があった。

目の前のレイラが左右⇔に分身し、剣の数と同じく10人まで増えたのだ!


「何だと!?」


目の前のレイラに斬り掛かるが、水の双剣でしっかりと受け止める。


「ぶ、分身とは焦ったが、本体が分かれば恐れるに足りん!ミスったな!」


レイラはにっこりと微笑むと言った。


「そうかしら?後ろに気を付けてね?」


後ろから分身体が斬り掛かる所であった。


ザシュ!!!


「ぐわっ!!!ば、ばかな!幻影が実体を持っているだと!?」


鎧兜を着ていたため、致命傷にはならなかったが、けっこうなダメージを受けた。


「ま、まさかすべてに実体が………!?」


その予感は的中した。次から次へと襲ってくるレイラに10対2で対戦しているようなものである。力量は剣士達の方が上であったが、ダメージを受けている状態で、10人からなる波状攻撃に耐える事が出来なくなってきた。


「こんなデタラメなスキルがあるはずが………!?」


剣士達は強引に距離をとり、二人の連携攻撃を放った!


「はぁはぁ……ただでは終わらん!行くぞ!」

「おう!!!」


「「複合スキル 《剣迅乱舞》!!!」」


二人の放った剣撃は竜巻を呼び、さらに風の刃が襲い掛かる!!!


しかし、レイラも黙ってみてはいなかった!

10人のレイラも構えを取っていた。そして一斉に放つ!


「水の乙女 《ヴァルキュリアの咆哮》!!!」


10人のレイラから一斉に水の砲撃が撃ち出された!!!


2つの攻撃がぶつかった瞬間、質量のあるレイラの水の砲撃が突き破り、剣士達を吹き飛ばした!剣士達のいた地面は大きな凹みが出来ており、攻撃の威力を物語っていた。


「剣士ペア、二人とも戦闘不能により勝者はアクエリアス夫婦ペアに決まりましたーーーーーーー!!!優勝でーーーーーす!!!」


ワァーーーー!!!

ワァーーーー!!!



「10年の沈黙を破り、華麗に優勝をさらっていきましたーーーー!!!本大会には#二桁台__セカンドナンバーズ__#も出場しており、それらを破っての優勝でーーーーーす!!!」


ワァーーーー!!!

ワァーーーー!!!


お父様とお母様が試合会場の中央で手を振っている。お父様は何だか複雑な顔をしていた。


「………お母様、1人で決勝戦を勝っちゃたね?」

「………ああ、あれってありなのか?」

「多分だけど、水で創った分身体だったから質量があったんじゃないかな?」


なるほど……?


「でも、分身体がスキル?か魔法を使っていたよね?」

「そこまでの原理はわからないよ。でも、強いね!」

「強いって言うか、反則じゃない?10人がかりだぞ!?」


ここに来て、お母様最強説が浮上してきた。正直、勝てる気がしないよ!?私、チート持ちなのに!?


シオンはお母様を怒らせないようにしようと、検討違いの事を心に誓ったのでした。



「お父様、お母様、お疲れ様でした!」


両親と合流したシオン達は控室で優勝を祝った。


「ありがとうシオン!」

「ふふふっ、お母さん頑張っちゃたわ♪」


はいっ!しっかり目に焼き付けましたとも!?


「お母さん、どうして決勝戦は1人で戦ったのですか?」


素朴な疑問をレインが問い掛けた。


「特に深い意味は無いわよ?ただ、試したかったのよね。準備決勝で見せた技は全盛期時代の最強技だったのよ。しかも使った後は、立てないほどの疲労感に襲われたの。でも今なら、扱え無かった【秘技】も使えるかもっと思ってグランにお願いしたのよ♪」


「昔は必死になって特訓してたのになぁ~」

「どうしても出来なくて諦めたのよね………」


お父様達は昔の想い出に浸った。


「………まだまだ油断してしまったからな。修行が足りん!もっと頑張らないといけないな」


「そうね。あなたも昔は出来なかった必殺技を試してみる?」


お父様は苦笑いをしながら、そうだなと答えるのでした。



こうしてアクエリアス夫婦ペアはランキング50位以内にランクインして、剣魔大会の出場券を手に入れたのでした。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

【後書き】

愚者の声

「遂に、大陸中央でやる剣魔大会の話に入りまーす!」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る