第2話 地上で止まるは管理人
この世界が空と地にわかれて20年ほどが経過する。激動の時代は過ぎ彼らとそのこども達はお互いの今に満足していた。または納得していた。それだけ先の戦争の爪痕が大きい。今は死ぬより生きていきたい。
彼らは愚かな虫とは呼ばず、地の人と呼ぶようになった。彼らは愚かな鳥でなく、空の人と呼ぶようになった。飛べる虫も飛べない鳥もいる。それも民衆の話で国の上層部はまた違った。この世界は今や様々な国々が空と地にわかれている。今度は他国との争いになるだろう。
空の人は地の人がこれ以上暴動を起こさないよう管理するようになった。管理人は定期的に地に降りて彼らの目から情報を読み取る。危険思考を持っていないか、何か物騒なものをその目に写してはいないか。空の人達は生まれたときに最近必ず手術をする。管理人の家の子はさらに特殊な手術をする。そのためこどもの頃からよく視える目を持つことになる。
管理人によっては上層部寄りの厳しい者もいて、管理地区ごとに性格や親の功績で配分される。彼らは将来を選べない。彼ら以外に管理人はできないのだ。だが管理人を管理するものはいない。
上層部はそれを把握できない。彼らは他国で頭がいっぱいだ。管理人達は時折空の自宅に帰りながらも、地上でも暮らしている。なぜなら彼らは空も地もどちらの今も分かるからだ。
空での暮らしは長く続かない
地上に残り続けるとあやしまれてしまう
彼らだけが空と地どちらも選べる
自由な者
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