俺の親友が


「んー…、考えたよ、うん、ちゃんと返事するから、今はいいじゃん」

「へぇー。付き合うんだ?」

「は!?べ、べつに…」

「わかりやすい、わかりやすい(笑)いいよ、俺はそれでもいいって思う。お前が一晩考えて出した答えだろ?三春よろこぶよ」

「でもさぁ…やっぱさ」

「しっかりしろよ!男だろ!腹くくれよ!1度は決めたんだろ」

背中に思いっきりしばかれた。

地味に痛い。けど、ありがたいかも。

「ごめん、弱気になってた。ありがとう」

「おう。頑張れ。俺も真面目になろうかな」

「え、なに、きも」

「うわ、ひど!もういいよー、志々雄きらい!」

「子供か」

「まだ子供だもーん。あ、ごめん、ちょっと。授業には戻るから先行ってて」

「分かった」

真中に軽く手を振る。あ、なるほど。彼女のとこか。さっき別れたいって言ってたけど、ほんとかな。

真中のことだから別れてもすぐ恋人出来るんだろうな。周りがほっとかないってか。モテすぎだろ。アホっぽいのに、どこが良いのか女子のポイントが分かんねぇよ。

教室に着き、ケータイを見る。

さっきの返信が来ていた。

【よく寝れたよ。真琴さんと話したからかな?早く土曜日なってほしいね】

うぐっ…可愛い…!

俺も早く会いたい。柔らかい身体をぎゅっと抱きしめたい。癒されたい。

【土曜日なんてあっという間だろ。楽しみにしてる】

カッコつけて返して何か恥ずかしいな…。

てか小学校ってケータイ持って行ったらダメだろうが。あいつ持ってんのか…。

【今からドキドキしちゃって授業集中できないかも。真琴さんもそうだといいな】

あいつ!!

何で…!くそ…照れるじゃん…。

【ばーか】

あいつに恥じらいはないのか。

俺ばっか騒いでバカみてぇ。

授業前のチャイムが鳴ってケータイを仕舞う。

そういえば、真中アウトじゃん。

鳴り終わり同時に教室の扉が開いた。

「セーフ!先生は!?いねぇ…焦ったぁ」

戻ってきた。てか、あいつ、顔…。

明らかにしばかれた痕が…。

「真中ー、お前、いい顔なってんじゃん(笑)」

「うっせーな、ケジメだよ」

クラスメイトのヤジにヤケクソに返す真中。

今までの相手でもこんなことなかったのに。

あいつ、本命できたんだ。

俺の前の席に座ったところで、ニヤケ顔が隠せなかったが声をかけた。

「真中。お前もやるじゃん。本命できたんだろ、言えよ。応援してるからさ」

「あー…情けねぇから言いたくなかったんだよ。ちゃんとケジメ付けてからお前には言うつもりだったし。親友だろ、いつかは話してたって」


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