何してるかな真琴さん


ケジメ…か。

「やっぱ彼女と別れた?」

「振ってきた。向こうも会う気ない感じだったのに、別れるのは違うって何かしばかれた」

「げぇ…女心ってやっぱ分かんねぇ…」

「それな。…ケータイの番号も女の子全部消したんだ…。おかしいだろ。柄じゃないって笑ってもいいぜ」

「いや…すげぇよ、本命のために頑張ったんだろ?彼女…あ、元か。殴られてまで女関係整理したんだろ?見直したって。次の子は大丈夫なんだろ」

「あぁ…そうだな。すげぇ、好きなんだよ」

こっちまで熱くなりそう。

良かったな、真中。

告白してきた女の子を適当に付き合ってばっかりだったから、自分の恋愛してほしいってちょっとは心配してたんだぞ。

ちょうど先生が入ってくるのが目に入った。

「はいはい。また聞かせろよ」

「気が向いたら」

今日こそは真面目に授業受けないとまた小言言われる。けど、兄貴の声って眠くなるから拷問なんだよな。

案の定、後半は頭に入っていなかった。

「志々雄!またお前は聞いてなかったな?」

教科書で頭を叩かれる。

あんただって志々雄だろうが。

「すんませーん」

また叩かれた。


授業の前に真琴さんと話が出来て良かった。

ヤル気が少し出てくるから不思議。

「ねぇ、真中くん、教科書忘れちゃったから一緒に見ていい?」

隣の席の女の子が話しかけてきた。

無意識に目が細くなる。

話しかけんなよ。ただでさえ、年めっちゃ離れてて常に一緒にいれるわけじゃないし、ケータイで繋がれてることに喜び感じてたのに。

お気楽でいいよな、アンタみたいな何も考えてなさそうな人間は。

年上好きになったことないだろ。

「真中くん?」

「…教科書ないんだろ、ほら。持っていけよ」

教科書を隣の席にスライドさせる。

「え、でも、真中くんは」

「…めんどくせぇな、喋んなよ。空気読め」

机に顔を付け寝る体勢になる。

あーあ…せっかく気分良かったのにな。

真琴さん、何してるかな。

「先生、頭いたいので保健室行ってきます」

言うだけ行って教室を出て、保健室に向かう。扉には外出中のプラ看板が。

居ない方がありがたい。

ベッドは全て空いていて、真ん中のベッドのカーテンを締めて横になる。

ケータイを取り出し、画面を付ける。

「ばかって、可愛いなぁ」

…勃ってきた。

真琴さん、本当は逆の方が良いんだろうな。

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