Ⅱ.アタシには身に覚えのない「コト」
情報の整理。これが、「今日」という日の初めに必ず行うことだ。
今回は特に大きく変化がないので、少し胸を
というのも、過去に一度だけ口に出すのも
あれに比べれば、記事が芸能人スキャンダル一色な今回は、
このようにして欠かさずチェックを行っているのだが、結局のところ、与えられた時間は「今日」一日のみ、つまり二十四時間しかない。
だから、なぜアタシがこんな状況になっているのか、どうしたら明日の朝日を拝めるのかは、皆目見当もついていない。
過去、何度か家族や親友へ思い切って打ち明けてみたのだけれど、まともに取り合ってはもらえないどころか、
もし、同じような
とはいえ、この状況に気づいた当初は出来る限りの時間を使い、あれこれと調べ上げ、名探偵気取りで考察と推理を
その結果、分かったことも少なからずあった。
まず、二十四時間が終わり、次の「今日」を迎えたとしても、アタシ自身の記憶は特に問題なく
なぜか食欲や
次に、これはとても重要なことなのだが。
小説やドラマでありがちなのは、毎日同じ「今日」をループして、同じ展開をひたすら繰り返すというパターンで、特に舞台背景は変わらないというのがお約束だと思うのだが、
例えば。
直前の回で世間を一番
それが今回はと言うと。
どうやら、例の二股俳優は結婚していなさそうで、前回お相手だった女優は、一人が別の男性と
このような感じで、毎回違う部分がある。
それは何も世の中に限った話ではなく、「私」の環境についても同様だ。
視覚的に分かり易いところで言うと、住んでいる部屋は住所も含め毎回変わる。
今回の私はワンルームの住まいであるが、一番良い時は都心に1LDKのデザイナーズマンションを確保出来ている時もあった。その時は思わず「よっしゃあ!」と勝利の
あとは、仕事関係。
大学の頃から業界をある程度
幸運なことに土日休みの会社ばかりに当たっていたので、毎回この土曜日をうまく活用していたのだが、いつぞやの時は、土曜も仕事の業界に参戦してしまっており、
なお、勤務地の場所が分からず
とはいえ、仕事の知識がなさ過ぎたので、その日は思い出したくもない一日になったのだが。
最後は居酒屋で実質初対面の、
これを
そこまで思い浮かべて、先程の「今日の始まり」が頭を
今日は本当に、めちゃくちゃだった。というのも、
見知らぬ全裸の男の上で、腰を振っていたのだから。
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