ガラスの靴で踊って、廻って
南方 華
Ⅰ.今回という「今日」の始まり
あれから、どれくらいの時間が過ぎただろうか。
照明がついたままの廊下の逆光で、暗い室内でも
――さすがにこのままじゃダメだ。
先程の一連の出来事で負ったダメージで
ベッドのスプリングが派手に
強めのシャワーを頭に受けると、今までぐちゃぐちゃに
アタシにとってシャワーはやっぱり大事な儀式だ。
出来れば一日三回くらいは浴びていたいと、その効能を改めて実感してしまう。
バスタオルで水滴をふき取り、部屋着に着替え、頭の水気を拭き取りながら、ようやく「今回」を始める心持ちになった。
アタシの名前は
入社二年目になる二十五歳のOLだったはずだ、元々は。
結婚もまだで、彼氏もここ五年以上出来ず、
断言が出来ないのは、それらの記憶全てを
それがどうしてなのか、――理由は簡単だ。
アタシには、明日が来ない。
毎日違う「今日」を過ごしている。
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