第9話


「そうさ...」


「お前にはガキの頃から大好きな幼馴染がいて。そいつも一応美少女で、林さんとは違う、黒髪清楚系でポニーテールの。四組にいる真島マヒロだと...」


「だから、多分、林さんはさ、、

シンジのこと気にかけてもおそらくだけど...」


って意味深に言ってやったんだよ」



マヒロのことは。


確かに好きだが。


俺に対してだけ、塩対応で。


どうせ、俺のことなど、なんとも思ってないに

違いないんだ、と常日頃思ってた。


しかし。


シンヤは尚も悔しがった顔してた。


「あ、じゃあ。

真島さんを本命にするならさ、

身体の関係だけでもいいやって言ったの」


「マジ!?」


俺はガターンと席を立った。


その時だった。


マヒロの奴が、

俺の教室に入ってきた。

そんで、こそっと明るい声で。

俺の耳元でこう呟いた。


「シンジ、あのさー!さっきシンヤ君から聞いたよ!私のこと、小さい頃から大大大好きで彼女にしたいんだってね?いいよ?私、シンジと付き合っても...!」


「ま、マジ!?」


シンヤを見ると。


「これで、良かったんだ」


「俺も友情返しをしたんだ」


と静かに呟いてみせた。






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