第8話


教室にシンヤの姿はなかった。

多分。林ユーコと屋上で宜しくやっているのだろう。


俺はそう考えて、

昼飯が済んだから、モンハンの攻略本を読み耽っていた。


そんな俺に。

頭上で、悔しそうな顔してるシンヤが、

モンハンの攻略本を奪って閉じ。

こう切り出した。


「おい、シンジ。

あのさ...」


「え、何?」


「さっきはありがとな。

俺に花を持たせてくれようとしたんだろ?」


「あ、まぁ、そうだけど...」


「屋上で一緒に飯を食うことになったんだけどさ...」


「良かったじゃん、シンヤ!」


「それがなー。俺には一切、悩みも話さずに、

手作りのお弁当も食べさせることせずにさ。

あ、でも、一応、おにぎり何個かもらったけどさ。それも、コンビニで買ったやつでさ!

手作りのハンバーグとか、唐揚げとかの類はくれなかった...」


「付き合って」


「って、眼鏡なしの俺の姿で懇願したけど、

全然落ちなかった...」


「ごめんね。

私、名前も知らない、助けてくれた彼のことが

気になってしまって...」


「だとよ」


「マジ?」


「おまえに惚れたんじゃね??」


「いやでも、ほら。

陰キャと金髪ギャルが付き合うなんて

あり得ないよ...」


「だよなあ。

俺もそう思う!」


「だからな。俺は彼女にお前に関するひとつの真実を告げたんだ...」


「ん、俺に関するひとつの真実?」





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