第6話

シンヤをチラリと見ると。

ガチで悲しそうな顔してた。


だからな。


俺はこのとき、友情を取った。


「いや、俺はさ。

高嶺の花の女子とお弁当を食べるなんて真似しちゃいけないんだ。見ての通り、ド陰キャだから。風景に馴染まないだろ...?」


「俺よか、シンヤの方がいいよ。

こいつも俺と同じ眼鏡男子だけど。

実は、眼鏡を外すと、あの、イケメンで学年一のモテ男の藤島くんより、男前になるんだよ。

それに、きっと親身になって林さんの相談に乗ってくれると思う...」


シンヤを見ると。


満足気に微笑んでた。


その表情から。


シンジ、どうもありがとう。

本当にありがとうと言いだけだった。



これでいい。


俺は心底、そう思った。





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