第2話 青い光

 赤い光が、ゆっくりと動き始めた。

穴から出た赤い光は、その強さが増す。

その光が周辺を煌々と照らすと、寄ってきた

深海の魚を目にも止まらぬ速さで吸い込んだ。大きな口には、尖りきった歯が、

綺麗に揃っている。

と、次の瞬間身体中から青い光を放ち始めた。この光が、海面にいる調査員たちの目にも見えていたなら、この話の結末も少しは

変わっていたのかもしれない。

青い光を発した身体は大きく、

小さく見積もっても5mは下らないだろう。

青い光を放つ巨体は周辺に集まった魚を

飲み込むと満足したのか、穴の中へと帰ってしまった。と思ったらすぐ、また赤い光が2つ

今度は先ほどのものよりも大きい。

同じように身体が今度は緑色の光を放っている。こちらの巨体はスルスルと身体を穴から

出していく。こちらの身体は7mを超えているだろうか。身体をくねらせてゆっくりと泳ぎ始めた。それに続くように先ごどの青い身体の巨体も穴を出ていく。

 海上では、公表された海底の穴を実際に測量するべく潜水艦が用意されていた。

「それじゃあ、頼んだぞ。」

「はい!」

調査員たちが言葉を交わすと潜水艦は海底へと沈んでゆく。海底1万フィート、メートルにするとおよそ3000mほどの深さまで潜水艦がきた。この深さが海洋の平均的な深さより少し浅い位置である。今回の調査はこの深さで行われる。調査員が調査を始めようとしたその時、まるで地響きのような音が鳴り響いた。と次の瞬間わずか70mほど先を青くひかるなにかが通った。調査員はそれを見逃さなかった。

「あそこに何かがいます!2時の方向!

 青い光が!」

「よし!少しだけ近づいてみよう」

一瞬見えたその光だけを頼りに50mほど進む。が、そこには何もなく暗い海の底が広がっているだけだった。しかし、調査員がみた

青い光は、確かにそこにいたのだった。

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