第93話 換気のついでに解放感を味わう②
最初は自分でもふざけた発想だと思ったけど、裸で寝転ぶのは想像以上に気持ちがいい。
「このまま寝れそう……」
一糸まとわぬ姿だからこそ不快にならない夏の暑さ、家の中を吹き抜けるついでに清涼感をもたらしてくれるそよ風。
目を閉じれば、ほんの数秒で眠りに就けそうだ。
「なに言ってるんですか。さすがに風邪を引いちゃいますよ」
「だよね~」
ゴロンと寝返りを打ちつつ、ミミちゃんを優しく抱きしめる。
あたしの方を向いていたミミちゃんと正面から触れ合う形になり、豊満な胸の感触が肌に直接伝わってきた。
この前スーパーで見た大玉スイカよりも立派で、昨日おやつに食べたマシュマロのように柔らかい。
「これなら温かいですけど、ほどほどのところで服を着ましょうね」
ミミちゃんはちょっと上機嫌な声でそう言いながら、あたしの背中に腕を回して抱きしめ返してくれた。
圧力を受けたミミちゃんの胸が、お餅のように形を変える。
あたしの胸も同じように――と言いたいところだけど、あるかないか分からない程度の膨らみなので、圧倒的質量のおっぱいに覆い隠されてしまっている。
「この後、シャワー浴びない?」
「えっ? そ、それって……」
体を密着させているため、ミミちゃんの鼓動が早まったことにすぐ気付いた。
他にも、視線がわずかに泳いでいることや、頬がほんのり紅潮していること、口元がふにゃっと緩んでいること。
裸になることを提案した時と同様の勘違いをしているのだと察するのに、数秒とかからなかった。
「ミミちゃん、エッチする流れだと思ったでしょ」
「ち、違うんですか?」
「違うよ~。エッチじゃなくて、お昼寝。シャワーを浴びてサッパリしたら、一緒にどうかなって」
「もちろん、最初から分かってましたよ」
照れ隠しで分かりやすすぎる嘘をつくミミちゃんがかわいすぎて、いますぐにでも愛の営みを始めたくなってしまう。
「それじゃあ、シャワーを浴びたらお昼寝して、夜の配信が終わった後にじっくりと……っていうのはどうかな?」
「はいっ、賛成ですっ」
ミミちゃんがパァッと笑顔を咲かせ、満足そうにうなずく。
その笑顔があまりに魅力的で、あたしは前言撤回して夜の予定をいまこの瞬間に早めることにしたのだった。
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