第12話 とりとめのない朝の出来事
大きなあくびをしながら枕元のスマホを手に取り、時間を確認する。
現在時刻は、ちょうど午前五時になったところ。
早朝と呼ぶにふさわしい時間であり、ゲリラで朝配信をするにもさすがに早すぎるし、そもそもあたしの頭が半分ぐらいしか働いていない。
二度寝を選択肢の最有力候補として視野に入れつつ、のどの渇きを潤すためベッドを抜け出してキッチンへ向かう。
「ミミちゃんおはよー」
「おはようございます。ユニコちゃんも飲みますか?」
キッチンに行くと冷蔵庫のそばにミミちゃんがいて、コップに注いだ牛乳を飲んでいる最中だった。
「うん。ついでにミミちゃんのおっぱい吸いたい」
「あ、朝からなにを言ってるんですかっ」
「んぇ? あー、ごめんごめん。まだちょっと寝ぼけてるっぽい。昨日寝たの遅かったし、おっぱい吸ったら二度寝しようかな」
なにかおかしいことを言った気もするけど、まぁ気のせいだろう。
ミミちゃんのおっぱいを吸って満足したら――って、あれ?
あたし、のどが渇いたからここに来たんじゃなかったっけ?
「そ、そういうことは、意識がハッキリしている時にしてください。はい、牛乳どうぞ」
「ありがとー」
コップを受け取り、よく冷えた牛乳をのどに流し込む。
「ぷはー、おいしい」
「それじゃあ、わたしは部屋に戻りますね」
「おやすみー」
「おやすみなさい。ユニコちゃんもしっかり寝てくださいね」
「はーい」
ミミちゃんを見送り、コップに残った牛乳を飲み干す。
似たようなタイミングに起きて、同じ飲み物を口にする。
別に珍しいことではないんだけど、不思議と嬉しい気持ちになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます