城での評価が少し変わりました。
今日も今日とてイリスに朝から会いに行く…前に僕とユキはメイド達や厨房の料理人にお願いして、イリスも含め3人で、お昼に食べるお弁当を作っていた。
僕も一年近くユキの料理の手伝いをしているうちに前世で一人暮らししていた頃と同等か、それ以上に作れるようになってきた。
ユキに至っては料理人顔負けになってきていて正直ユキより美味く作れる自信はもうない。
ここで一緒にお弁当を作るようになって良かったことは他にもある。
僕の事を主と慕うメイドさんが3人出来たことだ。
僕がここで一番驚いたのはこの事だろう。
何せ僕としては何かをしたつもりはなかったのに、調理を終えて手伝ってくれたお礼をすると突然3人から「「「私達に手伝わせてください!」」」と言われたものだからユキ曰く人間不信な僕は何か裏があるんじゃないかと最初は疑っていた。
メイド達の事を信用して欲しいとユキにも頼まれ、半年ほど過ごして今では頼れる専属メイドになっている。
この3人のメイド、名前はいつの間にか覚えた。
ベリー、マチ、サン、は詳しくは覚えてないが僕と生まれた年が近いらしく将来僕の専属メイドになるよう指導されていたようだ。
そのおかげ(?)で僕の行動を見ているうちに僕に仕えたいと思うようになったそうだ。
他にも何人か同じような立場のメイドがいたようだが僕とバッカスを比べてバッカスの方を選んだようだ。
毎回色んな場所で訓練や勉強をしている僕を見つけてまで主を決めようとしたのはこの3人だけらしいが。
実際に聞いたところイリスと会うようになってから僕の居場所がつかめなくなったので心配になったベリー達は手伝いたいと言い出したのだと。
…イリスのことがばれないようにしてたからなぁ。
そりゃわからんわ。
このメイド3人組と仲良くなって良かった点はまだある。僕の城での評価のことだ。
将来的に王家追放という名のもとに出ていくつもりの僕としては、かなり大切なことだ。
少なくともバッカスより強いこととかばれたら出ていけなくなるかもしれないし。
今のところ王家からの評価は変わりなく落ちこぼれというか評価らしい。それにイリスと会うようになってからの一年間、訓練場に行かなくなったからかどうやらバッカスが噂を流したらしく、落ちこぼれの上に努力もしないクズなのだと。
…僕のこと嫌ってるのは知ってるけど双子なのにここまでいうかね?
…別にいいけどさ。
そんなことよりも許せない事もある。ユキのことに関してもどうやらバッカスはあることないこと言いふらしているようで僕と一緒に行動しているだけで不良になったとかどうとか。
これは今朝メイド達から教えて貰ったことだがどうやらユキの評価が下がって来ているのはアリシア母さんもユキ自身も知っているらしく、メイド達がどうするのか聞くと二人揃って、「「大丈夫ですよ。考えがありますから。」」と笑顔で返されるだけだったそうだ。
ユキが昔から賢いのは知っているし母さんと二人でたまに話し合ってるみたいなので何か策があるとは思うけど……心配だ。
特に母さん。僕の時もそうだけど王家に居続けると僕が不幸になるとわかるとすぐに追放という形で自由の身になれるようにしてくれた。
…でも普通思い付いてもやらないことをしようとするから怖いんだよな…。
そんな事を考えていたら弁当の準備はすぐに終わって僕とユキは城からいつもの場所に出掛けた。
よっし!イリスに新しい魔法見せるのが楽しみだ!
「「「行ってらっしゃいませ!リョウガ様!ユキ様!」」」
──毎日見送られるのも嬉しい物だな…──
なぜか温かい気持ちになりながら僕は今日もイリスに会いに行った。
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軽く外見紹介(残りは想像でどうぞ)
・ベリー
赤い髪の眼鏡少女。リボンで髪を結んでいるポニーテール。メイド姿からは想像できないほど素の性格は元気。
・マチ
青い髪の物静かな少女。髪はショートのボブカット。いつも二人よりも行動がゆったりしているが勘が鋭い
・サン
黄色の髪のおどおどしている少女。髪はストレートのロング。元気なベリーとスローペースなマチに振り回されているためか根が一番真面目。
もう一度君に会うために クロリガ @kuroriga
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