魔力の性質

「体の中から出てくるに集中してみて。楽な体制でいいから。」


僕は胡座あぐらをかいてソファーに座り、ユキは楽なのかはわからないが敷いてある絨毯じゅうたんの上で正座をし始めた。


ユキは目を閉じて早くも集中し始めているようなので声をかけづらい。僕も早速、出来ることからやろう。


スキルを使うときの感覚か…。僕は手に意識を集中させる。


確かにスキルを発動させようと意識を向けると手に…というか手や腕を中心として体から何かが込み上げてくる…ような感じがする。


あくまで感覚で何かあるとわかる程度で意識してなかったら体に力を入れただけだと勘違いするだろう。


だけど今以上にスキルに意識を向けようとするとスラッシュがでそう…。


そう思っているとイリスが何かに気づいたようで集中しているユキに声をかけているのが聞こえてきた。


「ユキ…そのままの姿勢で聞いてね。多分そのままいくとユキの回りで魔法が発動すると思うけどそのまま発動させていいからね。最所は簡単なものしか出来ないと思うから。」


──はっや!そう思い、集中を切りついユキの方を見るとユキの回りで顔と同じ位の光の玉のような物が一つ浮かんで漂っていた。


でも…あれはライトのスキル?ユキは使えなかったと思うんだけど。あれが魔法の効果?


ユキも目を閉じて集中していたようだけど自分で出した明かりに気づいたようで目を開ける。


「…綺麗。」


そう呟いて光の玉…ライトに触れようとすると光の玉はユキが触れた指先から体に吸収されたように見えた。


それを見ていたイリスは、


「ユキは光の属性を持った魔力をしているみたいだね。さっきのライトの魔法はユキが魔法を使おうとしたことで無意識に発動させたみたいだよ。」


ユキは自分でも驚いていたようで

「もう一度やってみます!」

と意気込むとまた集中し始めた。


…やっぱり才能ないのかな僕は。


少し劣等感にさいなまれているとイリスは、

からかうような顔をしながら


「…リョウガも見てたでしょ。こうやってまずは自分に合った魔法の属性を見極める所から始めるんだから次は集中してよ?本当だったらリョウガの方がスキル使い慣れてるはずなんだからね?だから妹に先を越された位で凹まないでよお兄ちゃん?」


…気づいてたのか。でも今の一言でこっちもやる気が出てきた。顔はからかうようにニヤニヤしてはいるが声からは気遣ってくれるような優しさがあった。


っし!やるか!もう一度集中しなおす。

自分の中の何か…いや魔力に意識を向ける。手に集中させていた物を体全体から外に出すイメージで…。


ユキが出していたライトをイメージしていると、僕にも声がかかる。…何故か二人分。


「お兄様!?そこにいるのですよね!」


「リョウガ!聞こえてる!?」


ユキとイリスが何か焦っているような声なので流石に気になる。後少しで何か掴めそうなのに…と思いながらも目を開ける。いや、自分では開けたはずなのに

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る