出会いと始まり

ユキと一緒に眠ったあと、いつものように朝の訓練が終わり(バッカスも案の定きた。暇なのかな?)昼の訓練を終えた時に事件?は起きた。


──剣を降り続けて腕が上がらなくなり、砂浜の上に寝転がる。王族とは思えない行動だけど誰も見てないし問題ないよね…。


横になると眠気に襲われ眠くなってくる。


──こんなにいい天気でお腹もいっぱいだし…少しぐらい…昼寝しても…いい…よね…。


…このとき寝ていなかったら僕はあいつとは出会わなかったかも知れないな。


───────────────────────


「…っん?…もうこんな時間か…。」


…改めて見るとこの景色…やっぱり綺麗だよな…


起きると目の前に、壮大で大きな湖が夕焼けで真っ赤に染まっていた。

隣で眠っている少女も普段、空の色を映し綺麗な水色で染まった湖のような髪色が腰まで伸びたストレートヘアに良く似合っていて、この景色に彩りを与えている…


「綺麗だな…」


………ん?少女?


「ぅうぁぁああぁぁぁ!」


普段あげないような大声を上げて尻餅をついてしまう。


「ひゃう!」


えっ、起きてない…よな…?


「えっと?…?」


そんなことなかった!


「ごめん!起こしちゃって!」


「………大丈夫…」


というか寝る前にはいなかったよな?男のひとの隣で寝るって無防備な…


「ここは確かに居心地はいいですけど…あんまり知らない男の人の隣で眠るのはやめた方がいいですよ…。」


いや…本当に…よく見ると襲われてもおかしくないぐらい綺麗な人だし…。


「……私からしたら知らない人なんかじゃないけど…。五年前から知ってるし……。」


何か小声でしゃべってるな…今になって恥ずかしくなったのかな?口数も少ないし…


「「………」」


さて…これからどうしよう…。お互い喋らないとなんとも…。えっと他に聞くこと…聞くこと…


「あなたのお名前は?」


「…イリス」


聞いたことがない名前だな…


「…どうやってここに?」


「ん~…えっと…」


ここに来れるってことは王族とまでは言わないけど…僕の記憶にもないし(ここまで美人な人だったら覚えてるだろうし)…どこか貴族のご令嬢とか…?


「私…近くに住んでて…ここにはよく…昼寝しに…来てる…近くに抜け道が…あるから。」


…ん?でも…


「僕もよく来てますけど…いませんでしたよね?」


「………いましたよ…いつも……でも…まだ…」


…顔を膨らましてるけど…なんかちょっと…怒ってる?


「あなたが…帰ったあとに…来てたから…」


それだと結構遅い時間だけど…まぁ言いたくないことがあるなら深入りはしないでおこう。


「取り敢えず…わかりました。」


「…えっ?…いいの?」


「聞いてほしいの?」


──首を振るイリスさん。やっぱりなんか事情があるんだろうな…そこは僕と一緒か…。


「そうですね…イリスさんのことは内緒にしておきますね。」


「………!。…ありがとう…。」


ここに内緒で来てるのは正直危ないけど…何か理由があるみたいだし…


「…名前!…教えて…」


「そういえば…言ってませんでしたね。僕の名前はリョウガ、ただのリョウガです。」


流石にフルネームで名乗ると王族だってばれそうだし…


「……リョウガ…リョウガね……!私のことはイリス…イリスって呼んで…!」


おっおう…急に元気になったな…


「わかったよ…イリス。これでいい?」


「…うん…///。明日も…ここに…来ていい?」


良くはないけど…でももう少し喋ってみたいな…僕のことを無能扱いしない人ってユキ以来だし…


国の中にも僕が無能であると噂が広がってるからな…お陰でこんなところ見つかったんだけど…


「……見つからないようにしてよ?」


「うん!」


これが僕、リョウガと謎の少女、イリスとの初めての出会いだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(作)……やっとメインヒロイン出てきたわ……

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