夜はまだ続く?②
「私はお昼お兄様がどこで何をしてるのか、まだ教えて貰ってませんよね?」
えっ…そうだっけ?
「言ったこと……なかったっけ?」
「はい…危ないからと教えてくれませんでした…」
ユキが少し悲しそうな顔をするが僕は昼の視線のことで頭がいっぱいだった。
確かに誰も見てないし普段よりも無茶な訓練をする場所ではあったけどいつも誰かの視線を受けていたし、最悪助けが来ると思ってたんだけど…
実際に体が回復されていた時もあったみたいだし…
じゃあユキじゃないならだれが…?
「お兄様?大丈夫ですか…?」
「えっ…」
「お顔が真っ青ですよ…」
「あぁ問題ないよ。」
体の方はね…。正体不明の誰かに何をされたのかが気になってるだけで。
あそこに実はゴースト系の優しい魔物がいたとか?でもゴーストって回復系のスキルって使えたっけ…?
取り敢えず今日は…
「ユキ…」
「…?なんでしょうか?」
「今日夜は僕の部屋に来ないか?」
決して怖いからではない。母さんに仲良くして欲しいって頼まれてたからね!仕方ないね!
「うぇえ!」
なんでそんなに狼狽えるんだ?いつもは自分から来てるだろうに。
「どうした?来てはくれないのか?」
「いっいえ!お兄様からのお誘いは始めてだったので…それも夜に自分の部屋に誘われるとは思わず…。」
…ん?最後の方声が聞こえなかったけど来てくれるのは正直助かった…。
「じゃあ今から行こうか。暗くなる前ね。」
ただでさえこんなだだっ広い城だし暗くなるとは少し不気味なんだよな…
「今からですか!まだ心の準備が…」
「安心して貰って大丈夫だ。今回は僕の方から誘ったんだし僕がリードしよう。」
いくつか二人で遊べる物も用意してるしな。オセロだったりチェスだったり。
「そっ…それは…わかりました…私もご一緒しますわ。…お兄様にこんな一面があっただなんて…。」
おお!凄い張り切ってるな!
「今日は一緒に楽しもうか!」
この変に怖くなった気持ちをごまかす為にも…別に怖くはねぇし!…誰に言い訳してるんだろ俺……。
「では行きましょうか…お兄様…」
ユキが頬を赤くして僕の服の袖を掴む。そんなに遊びたかったのかな?今日ぐらいは甘えさせてやるかな…
「お兄様がこんなに優しい目で私を見つめてる…」
最近ぼそぼそ喋ることが増えてるけど…年頃だしね。
この後めちゃくちゃユキと遊んで一緒に眠ったけれど途中からユキがやけになっていました。
珍しくはしゃいではいたけど眠るときは緊張してたみたいだし…
…女の子って難しいな…
───昼の出来事がきっかけでまだ戸惑うことになるのだがリョウガはまだ知らない───
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