訓練の続き(昼②)
アリシア母さんと別れて王城から、いつもの場所に向かうことにした。
この国は水の都市と呼ばれているだけあって国の回りをぐるっと一週、湖に囲まれている。
この国は回りを湖で囲まれているおかげもあって小国でありながら防衛能力も高いため水産資源が多いながらも他の国から戦争のように狙われにくい。
その事もありここまで繁栄したと勉強した本に書いてあった。歴史が冒険者にどれだけ必要かわからなかったがとりあえず覚えた。
こんな国で僕が見つけた場所は簡単に言うと橋の下だ。だがこの場所を探すまでにかなり時間がかかった。
理由はとてもシンプルでこの国では橋の下はこの国では立ち入り禁止になっているからだ。この国は湖に囲まれているだけあって国に入国するには国に2つしかない、大橋を渡らなければならない。
僕が生まれる以前に湖を泳いで渡ろうとした人がいたらしいがその際に使われた所が僕が今から向かう場所だ。橋の下に砂浜があり、そこからは湖がよく見えるだけで橋の上からこちら側が見れたりはしない。大声をだすと橋の上に聞こえるかもしれないが普通に話す分には問題ないけどね。
ちなみに普段は泳いで密入国しようとした奴のせいで立ち入り禁止になっていて、誰もこの場所に来ないから僕にとっては景色もよくて最高の場所だ。
───えっ僕?僕は国の王家だし。どうせ15歳で成人を向かえたら王族ではなくなるのだし、使える物は使わないともったいないもんね(笑)。
そんな訳で誰にも見つからずに訓練できる場所を見つけた僕だがここでもやることはそんなに代わらない。剣を持って来てはいるが1人ですることにはどうしても限界があるからな。
剣を1回1回適当に振るわない用に型を確認しながら力を入れて振るう。これを夕日が見えてくるまで繰り返す。
腕に力が入らなくなってからが本番で腕が上がらなくなって剣が手から離れてしまったら休憩を入れる。
疲れたらユキの作ってくれた弁当を食べたりしてね。ちなみに今日は色んな種類のおにぎりだった。
「──ふっ!はぁぁ!…はぁはぁもう~無理!」
……今日は、こんなもんかな。そろそろ帰る…と言いたい所なんだけど…。
どこからか視線を感じて全然訓練に身が入らなかったな…。
多分ユキだと思うけど…
いつも視線を感じていのと今日のとはなんか違う感じがしたんだよな…なんとゆうかこっちの様子を探っているような感じが…
「誰かいるのか?」
誰に問いかける訳でもなく独り言のように少し大きな声で呟いた。あまり大声はだしたくないが誰かいるなら出てきて欲しい。
───ちゃぷん!
…………ちゃぷん?なんで湖の方から音がするんだ?ユキが隠れて見てるとかじゃないの?ここ誰もこれないよ?…こわ…はやくかえろっ。
急いでここから離れる為に疲れた体に鞭うって全力疾走。けっしてお化けが怖い訳ではない…何かわからないことが怖いんだからな!
次からここでの訓練やめようかな…
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そんなことを考えて急いで帰るリョウガはまだ知らない。このとき湖の中からじっとリョウガのことを見つめる頭を抱えた影がこちらを見ていたことを。
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