訓練の続き(???視点)
────あっまた来た…。
この時間になるといつも私のお気に入りの場所──橋の下にある砂浜にお昼になると必ず来る人がいる。
五年くらい前からかな?気がついたら毎日来るようになってた。私のお気に入りの場所なのに…
最初はただ早くどこか行って欲しかった…私の場所だよ!って言えたらよかったんだけど相手は子供。
泣きながらがむしゃらに剣を降っていて何度も危ない場面があった。実際に怪我をして倒れてることもあった。
痛みで気絶して倒れていたとにはとっさに回復魔法を使ってしまったこともあった。
私のことがばれてしまったかと思ったけれど倒れた時の記憶もないのか目が覚めると帰ってしまった。
いつものように疲れがピークに達して倒れただけと思ったのかもしれない。
私が回復をしないと死んでしまうと思う怪我で倒れた時もあった。どうしてここまで毎日休みもなく頑張るのだろう…?
このときから私はこの少年のことが気になる用になっていったの。
毎日毎日、真剣に剣の訓練をしているのに瞳の奥では何かを諦めているような…絶望しているような…暗い瞳をしていた。
まだ私が生まれて100年ちょっとだから、あんまり自身は無いけど…彼の姿が全体的に暗いからだろうか?
真っ黒な髪に漆黒の瞳。見ていて綺麗だと思うのに彼の放っている悲しい雰囲気と合わさって神秘的にも見える。
彼がここで訓練を始めてもうすぐ五年になる。何かやりたいことが見つかったのか。彼の雰囲気が変わりつつある。
何かを決心して覚悟を決めた人の目になっている。
それが原因なのか訓練の時間が長くなっている。前の私なら早く帰ってと思ったかもしれないが今は、この人の行く先を見てみたい。
私は色んな人を長い間見てきたけれどこんな人は始めて見る。こんな気持ちになったのも始めてだ。
私がこの国を離れたことが無いからね知らないだけなのかも知れない。
それでも私は始めて人と喋って見ようと決心した。長い間人の姿をしていたが根本的に私は違う生物だ。
気持ち悪がられるかも知れないし正体がばれたとき殺されてしまうかもしれない。
そんな気持ちが頭をよぎる…それでもこんなに自分の意思で話をしてみたいと思う人はもう現れないかも知れない。
そんな考えを持って私は今───────────
…半年も喋りかけられないでいる…。
違うんだよ!喋りかけたこともあったんだけど訓練中だと気づいて貰えなかったんだよ!声が小さいのかな……?
今までどうやって人と会話してきたんだっけ?!そもそも会話したことってあったかな…?
─よし!今日こそ!今日こそは喋りかけるんだ!
今なら休憩してるし気づいてくれるはず!
──せーの!!
「誰かいるのか」
──っっ!………また水の中に隠れちゃったよ~…
あぁ彼も帰っちゃったし…次こそ名前ぐらいは聞きたいな…
明日もこそ…明日こそは!
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