おまけ~椿のはなびらたち。~ =ひとひら=

幸一お祖父さんの書斎で2人抱き締め合っていた。


離れるのが名残惜しくて


抱き合ったまま少し話しをしてる・・




「えっ!俺・・

 慶さんに逢った事あるの??」



「うん、一度だけね。

 え~っと..おれが7,8歳の時で

 多分、龍一くんが5歳ぐらいの時

 だったかなぁ~。」



「あぁ!!11年前に、この家来たって

 母さんと話してたんだよー。

 じゃあ、そん時逢ってたんだ?」



「うん。おれはね、今でも覚えてるんだよ。

 龍一くんが、おれの事じーっと見てて・・

 んふふ。」



「え?なに、なに?」



「じーっと見た後・・ぎゅーっと、おれの事

 今みたいに抱き締めてくれたんだよ。うふふ。」



「そうだったんだ・・。じゃあ、そん時から

 幸一お祖父さんの気持ちがあったんだなぁ

 きっと。」



慶さんは、ついさっきあった事みたいに


楽しそうに笑いながら


「んふふ・・それでね、龍一くん抱き着いたら

 そこから、ず――――っと離れなくってね。

 龍一君のお母さんも、おれの母さんも

 皆、困っちゃって・・うふふふ。」




「あ~~。何か分かんないけど・・

 俺__すげぇ、、今、恥ずかしい。」



慶さんは、俺の肩に顔を埋めて笑ってる。




「でもさ、慶さん・・。」



慶さんはパッと顔を上げ


柔らかく笑いながら俺を見つめた。


「なに、龍一くん..。」



「俺__何なら、今も離れたくないよ。

 慶さん、これは俺、龍一の気持ちね。」



慶さんは、頬を椿色に染め、もじもじ。


「ちょ__龍一くんって、タラシなの?

 そんな事、16歳の男の子が言うものなの??

 そうだよね、龍一くんって、モテそうだもんね。」




俺は、椿色の頬を優しく撫で


慶さんを見つめ、手をそっと握る。



「慶さん__。

 俺、普段こんな事言わないよ。

 言うのは、慶さんだけ。だけだよ..ふふ

 慶さんが俺に、言わせてるんだよ__。」



「もぅー..龍一くんって、少女マンガみたぃぃ。」



「も~、俺だって恥ずかしいんだよ。

 でも__本当に想ってる事なんだ。」

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