ポトリ・17

「とっても綺麗だ、慶さん。」


「うふふ..。」


照れた様に笑った慶さんは


俯いて涙を拭い


「でもー、片付けないとね、これ。

 怒られるよね..きっと。」


「あ、、本当だ。__あ、そうだ。

 じゃあ、花弁集めて、このブリキの箱に入れようよ。」


「うん、そうだね。」



_____________。




オレと慶さんは部屋中の花弁を集め


ブリキの箱に入れていく。




慧さんが「ふふ。」と笑い


「しかし..幸一お祖父さんも慶之介さんも・・

 生まれ変わったらって言っても、

 また男同士で、はとこって・・ねぇ。

 どうなんだろう。ふふ。」



「ははっ。ホントだね。でも、慶さん

 それは、関係ないんじゃないかな。」



「え・・?」



オレは、慶さんを真っ直ぐ見つめ言った。


「オレ、龍一として慶さんの事、好きなんだ。

 だから、俺__幸一お祖父さんみたいに

 立派な、立派な男になるから。だから_

 俺と、付き合ってください慶さん。」



「龍一くん___。」




俺達はまた、抱き締め合う。



俺は、慶さんの白い頬を優しく撫で


柔らかい唇に口づけした。




ゆっくりと唇を離し


ゆっくりと瞳を開けた俺達に_____。




書斎の机の上に一つ


椿の花が置かれていた。


何だか、2人が・・


俺と慶さんを祝福しているかの様に_____。





「龍一くん..好き。」




椿の花の様な紅い唇で、慶さんが俺に囁いた。





俺は白い頬を撫で


椿色の唇に、もう一度口付けした____。





好き。好き。好き。



・・・好き_________。




=終=

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