ポトリ・7


____どれぐらい・・抱き締めていた?


そんな長い時間ではないはず・・。



オレはハッと我に返って


名残惜しく離れ難いオレの腕を


その人から、パッと離した。


それからペコリとお辞儀して


「ご、ごめんなさいっ。そ、その~

 オレも自分で分かんないだけど

 なんかコントロールが出来なくて

 なんだろ、おかしいな。

 この、気持ち___。」




その人は、柔らかく優しく頬笑み


「ふふ、おはよう。君、龍一くんだよね?

 おれ、圭子お祖母さんの孫で、慶です。

 よろしくね。ふふふ・・」



「あ、あぁ、はいっ。オレ、龍一ですっ。

 ホントに、急にごめんなさい。

 あ、とゆ~事は、えーっと。。

 母さんの従姉の照子さんの・・?」



「そう。照子の息子で、大学生の慶です。

 本当は、母さんが来るはずだったんだけど

 急な仕事で、代わりにおれが来たんだ。

 あと、このお家にも用事があってね___。」



「用事・・・?」




慶さんに聞こうとしたら


母さんの声に遮られた。


「まぁぁ~っ!!慶君っ。慶君だ!

 大きくなってっ、ビックリだわ~。

 ああ、ほら~2人とも、寒いから早く

 中入りなさいよ。」




「あっ、そうだった。さっみぃぃぃ~~~。」






しかし、用事・・用事って何だろ・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る