エピローグ 3
「さて」
二人も行ってしまったところで、最後の突っ込みを入れるとしようか。
「なんでこんなところにいるんだよお前は」
俺は終始呆けた様相で傍観を決め込んでいた玲於奈に問いかけた。
「いや……私にも何が何だか」
溜息が漏れた。むしろ溜息しか漏れない。
「まあでも、無事で何よりだ。みんな心配してたんだ。連絡も無く学校休みやがってよ」
「学校? あっ」
思い出したかのような玲於奈。
「あの日、花ちゃんと一緒にお出かけして……んん、変だね。そこからの記憶がなくて」
まあいいだろう。一日休んだくらいではなんともない。
花ちゃんにまんまと誘拐されただけで済んだのは僥倖だろう。
「夢だったんじゃないか? 帰って寝れば、またいつもの日常が始まるだろうよ」
俺もいい加減になっていた。色々あり過ぎた疲労のせいで、考えるのが嫌になっている。
さっさと帰宅して、明日に備えて寝よう。
それが最善だろう。俺にとっても、玲於奈にとっても。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます