第4話
そうしてしばらくたった頃、優斗から草子へ一通のメールが届いた。
「母が他界しました。」
草子は複雑な感情を抱きつつ、香典を送り優斗の母の冥福を祈った。
ひと通り葬儀を終えた優斗は、悲しみとともに母親から解放された自由を胸いっぱいに感じていた。
四十九日を終えたころ、今まで遠距離恋愛をしながらお互いに貯めたお金を合わせながら、やっと、やっと優斗が草子の許に行ける日が訪れたことをふたりで確かめ合った。
「この日が来たのね。」
「そう、この日が来たんだよ。僕は母に申し訳ない気持ちはない、精一杯やったから。」
そういう優斗の声は澄みきっていた。
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