第8話 本当の能力
「こいつらはお前の部下か?」
後ろからやって来た、リーダーと呼ばれる男に俺が話かけた。
「まあな、誰がお前の事を殺るのか話していたら率先して行くと言ったから行かせたが、ダメだったか」
リーダーの後ろにいる他の襲撃者が身構える。
「待て」
リーダーが手を上げて静止させる。
「俺の名前はギスゼライだ、部下が世話になったな」
ギスゼライが、俺に話しかける。
「ああ、大変な世話だったよ」
そう言って、俺は後ろの二人を伸ばした剣で殺した。
『空間』で『魔石』と魔力を回収する。
「もう、こいつらに用は無い。お前に聞いた方が良さそうだ」
部下を殺してもギスゼライは何も反応しない。
「そうか、だがあまり調子に乗らない方がいいぞ?そこにいる二人は魔力の操作もまともに出来ない、いわゆる雑魚だ。まともに肉体の強化が出来ないから、『肉体強化』の『異能』を使わないといけないからなー」
「やっぱりそうか、こいつらの体から感じる魔力わりに、身体能力がかなり高かったからそうかと思ってたよ。だけどあんたは違うね。この二人とも、あんたの後ろの奴らともあんたの方が魔力の量が多い」
「その通りだ、そいつら『異能』はそこそこだったが、使いこなせてないせいで意味が無かったからなー」
「お前達は誰の命令でここに来たんだ?」
「俺らか?お前が勝ったら教えてやるよ」
そう言ってギスゼライが身構える。
「なるほど」
ギスゼライを見て俺も身構える。
「この人数に勝てるとでも思ったか?お前の『異能』は分かっているんだ、勝ち目は無い」
「やってみないと分からないだろ?」
そう言っ俺は、『空間』の『異能』でそこにいた襲撃者を全員移動させた。
「っち、ここはどこだ?」
襲撃者が言う。
「ここは『楽園』の敷地の一つだ、ここなら思う存分に戦える」
「どっかの洞窟にでも移動させられるかと思ったが、わざわざこんな開けた戦いやすい場所に移動させていただいてどうも」
ここは、俺がガエル達と一緒に『異能』の合わせ技を試していた場所だ。
ここには誰も住んでいないから、誰も巻き込まない。
「後ろから少し見ていたぞ、お前の『異能』は『爆弾魔』の他に石を媒介にした地面属性の『異能』と、剣の刀身を変形させる『異能』、そして空間系の『異能』・・・。何故か『異能』の数が合わないが、どういうからくりだ?」
「お前らを蹴散らした後にでも教えてやるよ、ガエルが味わった以上の苦痛を味合わせた後にな!!!」
そう言って俺は、『空間』から大量の石や岩を出した。
襲撃者達は、爆弾や岩の攻撃を警戒したのかギスゼライが『異能』で生成した
金属の壁に隠れる。
おそらく、物質創造系の『異能』だろう。
「くらえ!」
俺は隼人の『異能』で石や岩を投げつけた、隼人の『異能』は飛行物を正確な場所に命中させる事が出来る。
「んなもん当たるかよ!」
壁の陰から俺に向かって、攻撃が飛んでくる。
俺の攻撃は無視するようだ。
おそらく、ギスゼライの『異能』で防御するのだろう。
「うわああああああああああああああああ!!」
壁の陰から叫び声と血が飛び散る、どうやら命中したようだ。
襲撃者の攻撃は俺の壁に当たって止まった。
「ポンコツめ、三方向を壁で囲ったところで攻撃が防げるとでも思ったか?」
正面と右と左だけを囲った壁の上に立ってギスゼライに言った。
「くっそお、お前の『異能』はどうなっている!?明らかに三個を超えているぞ!?」
爆発でバラバラになった、襲撃者の血だまりの中で岩で体を貫かれて拘束されたギスゼライが言う。
「きちんと三個だ。さあ、俺の質問に答えて貰うぞ。お前はどこから来た?誰の命令でここを襲撃した?」
「や、『闇の世界』から来た。しゅ、襲撃は『楽園』の校長と教頭に命令されて・・・」
震えながらギスゼライが答える、大方自分より『ランク』が低い奴としか戦ってこなかったんだろう。
かくゆう、俺は不思議と恐怖を感じなかった。
「お、お前の『異能』は一体・・・?」
ギスゼライが尋ねてきた。
「ああ、教えると言ったなー。教えてやるよ、俺の『異能』は『形状変化』、物質に魔力を込めてその形を変化させる、変化可能な物は、俺の体の輪郭から2メートルに完全に収まっている物。そして直接触れなくてはいけない、一度マーキングした物なら触れていなくても変化可能。そして俺の形状変化は形だけではなく、大きさも変化出来る。ちなみに、『爆弾魔』ってのは物質が耐えきれない量の魔力を込めて爆発させてるだけだ」
「なっ!」
「まあ、一度触れればいつでも魔力を追加できるから普通の爆発よりは使いやすいかなー。始めはこれが俺の『異能』かと思ってし、気づいたのは1年前だけどな。本来変形や巨大化に使う魔力が使われなくて爆発してたみたいだ」
「糞ぉ、『異能』を偽っていたなんて!」
「普通『異能』は隠す物だろ?例え本当の能力を知っていたとしても、お前には負けねえよ」
「くっ」
「死ね」
俺は、ギスゼライを拘束していた岩でギスゼライを潰して爆破した。
「敵は取ったぞ・・・」
俺は上を向いて一人事を言った。
不意打ちでなければ、ガエルも殺されはしなかっただろう。
まだ、戦いは終わってない。
まだ休んではいけない。
俺はギスゼライと他の襲撃者の体から『魔石』と『核』を取り出した。
「さて、エリウス先生の加勢に行くか!」
俺は『空間』で、エリウス先生の下に向かった。
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