EP1「美しき悪の街」⑦
叫ぶライオネルとそれをなだめる多々良たち。サイレンが鳴り響き、火のユニオンの隊員たちが事後処理に奔走する戦闘現場を遠巻きに眺める影が二つ。
「くそっ、ゾディアックのやつら……よくもウチのリーダーを……!」
ビーニー帽をかぶった痩せっぽちの少年が身を乗り出す。
「落ち着きけって、ワンダーラスト」
それを止めたのは紫とピンクが混じった奇抜なツインテールの少女だった。二人とも年は10代後半くらいで路地裏を根城とするストリートギャングの雰囲気を纏っていた。その二人の間には緊迫とした空気が流れている。
「リーダーは死んだわけじゃねえ。今は引くんだよ。策もなしに突っ込んで、勝てる相手じゃあなそうだしな」
「ニキータ……ッチ、そうだな。まずは敵の攻略方法を見つけなくては……くっ、ゾディアックめ……覚えていろ。ウチらネビュラが、必ずお前達を叩き潰す!」
サイレンが鳴り響いている。音が大きく近づいてくるのに反して二人の影は闇夜に溶けて薄くなっていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます