#5

なつみ 「舐めないでいただきたい。乖離の箱庭愛では誰にも負けないつもりだよ。・・・乖離の箱庭はいわゆる魔法が存在する世界。その世界の住民はみんな大なり小なり魔力を持っていて、電気の代わりに魔力がモノを動かす原動力をなっていたりする。でも、魔力を持っている人が全員魔導士というわけではなくて、魔力量の多い人が魔法を勉強して初めて成立するものである。つまり魔法は才能!」


ふゆか 「百点満点の回答!素晴らしい!」


なつみ 「ドヤァ!」


ちあき 「なんか、アイツの手元カンペない?」


ふゆか 「この日のために正確な知識を仕入れてきたから。さぁ、そんな世界で乖離の箱庭の舞台は?みはるさん。」



画面が変わり、お城のような荘厳な建物が映し出される。



みはる 「世界で唯一大魔法士を育成する学校、アルカレッド・フォースト魔導学校。」


ふゆか 「ですがぁ、普通の魔導士と大魔導士の違いは?」


みはる 「えっ、えぇ・・・。」


ふゆか 「残念!問題を変えましょう。さて、このアルカレッド・フォースト魔導学校。何年制で、何歳から何歳の生徒が通っている?」


みはる 「3年制で、16歳から18歳。」


ふゆか 「正解!なつみさん、みはるさんがお答えできなかった問題、答えられますか?」


なつみ 「普通の魔導士は水とか治癒とか炎とか専門に別れて自分の魔力適正にあったやつだけ習得するんだけど、ごく一部めちゃくちゃ魔力が強くて素質のある人は全部に適性があって、その全分野マスターした魔導士が大魔導士とかじゃなかったっけ?ちなみに、この世界の成人は18歳だから、義務教育は15歳までで、それ以降の教育機関はこっちで言うと専門学校とか大学に値するとかだったはず。」


ふゆか 「模範解答+αとは。す、素晴らしいですね・・・。」


ちあき 「マジか。初耳なんだけど、どこで仕入れたのそんな情報?」


なつみ 「誰かの個別ストーリーとかだったと思う。先生とかかな?」


ふゆか 「まぁ、そんなすんごいエリートを輩出する学校であるアルカレッド・フォースト魔導学校はもちろん誰でも入れるわけではありません。学校の方から推薦状が届き、それを手にした者のみが入学を許可されるエリートによるエリートのためだけの学校というわけですね。」


なつみ 「これがさ~今まで推薦状が届くレベルの魔力を持つ者が男しかいないとかいう、設定があるからクレアちゃんたちに色々設定が入っちゃったわけよ。」


みはる 「人体実験ね。」


ちあき 「別に男子校とか決まっているわけじゃないんだ?」


なつみ 「ないね。たまたま女子が今までいないだけらしい。現にメインストーリーの最初の方に、主人公に女子の制服を着せるかどうかの話があったから、女子制服は存在しているのよ。」


みはる 「なるほど~。」


ふゆか 「ってか、なんで女子が入れるレベルじゃないの?差別?」


ちあき 「カンペに無いのかよ。」


ふゆか 「いや~、あんまり細かすぎるのは調べるのが面倒だった。」


なつみ 「身体の構造上、女が男と同等もしくはそれ以上の魔力を持つのは難しい的なことが書かれてたと思うから、あたしは妊娠機能のせいだと勝手に考察しているね。」


ちあき 「まぁ、女にあって男に無いものといえばそれくらいだわな。」


ふゆか 「は~、男も生理あればいいのに。毎月苦しめ。」


みはる 「すごいね。そんなことまで、設定にあるんだ。」


なつみ 「ね、ここまで設定が詰められていると本当にこんな世界がありそうだよね。」


ふゆか 「え~なにそれ、めっちゃ夢ある!」


ちあき 「おーい、話それてる。」


ふゆか 「あ・・・。えっと次は・・・。」



ふゆか、慌ててカンペをめくる。

ふゆか、咳払いをする。



ふゆか 「アルカレッド・フォースト魔導学校は寮制でしたね。それは、推薦状が届いたときに付属の宝石が魔力と反応して決まります。さて、何モチーフの何寮があったでしょう?ちあきさん。」


ちあき 「えっと・・・。青龍がモチーフのアズラゴン寮でしょ?白虎がモチーフのウィットティグ寮と、朱雀がモチーフのヴァミラード寮。あとは、玄武がモチーフのブラクトゥータ寮。」



画面に四つの寮の紋章が映し出される。



ふゆか 「そうです。そして、その寮の寮生はみんな特徴があります。まず、ヴァミラードは・・・。」


なつみ 「はいっ!あたしに言わせて!あたし、クレアちゃんだからヴァミラード答えたい!」


ふゆか 「いいよ。」



画面がヴァミラード寮の赤を基調としたデザインに朱雀が描かれた紋章と背景にはゲーム内の寮の内装に変わる。



なつみ 「ヴァミラード寮は実践魔法や防御魔法、飛行術が得意な生徒が多くて、性格も血気盛んだったり、パッション強めの生徒が多いよ。」


ふゆか 「じゃあ、その流れでフィノである、みはる。アズラゴンを。」



画面がアズラゴン寮の青を基調としたデザインに青龍が描かれた紋章と背景にはゲーム内の寮の内装に変わる。



みはる 「アズラゴン寮の生徒は魔法薬学とか魔法生物学が得意じゃなかったっけ?性格は穏やかでマイペースな感じかな。」



画面がブラクトゥータ寮の黒を基調としたデザインに玄武が描かれた紋章と背景にはゲーム内の寮の内装に変わる。



ふゆか 「シェイラの寮ブラクトゥータは座学全般得意な学生が多くて、性格はインテリ!まぁ、頭よすぎてみんなプライド高そうなんだけどね・・・。」



画面がウィットティグ寮の白を基調としたデザインに白虎が描かれた紋章と背景にはゲーム内の寮の内装に変わる。



ちあき 「ニーナのウィットティグ寮は錬金術とか術式学とか細かいものが得意な子が多いよ。なんというか寮自体が自由過ぎて、寮生の個性がダントツでえぐいね。」


ふゆか 「そんな学校が舞台です!ここで青春するのが・・・。」



スライドが入れ替わり、今度はアニメーション付きで乖離の箱庭のロゴが表示される。



ふゆか 「乖離の箱庭!」


ちあき 「雑にまとめたなぁ。」


ふゆか 「このゲームに登場するキャラは総勢36名!」



ザっと40名程度の登場人物一覧が画面に映し出される。



ふゆか 「そのうちの24名がプレイヤーと同じ学校に通う生徒になっています。」



一覧が3分の1ほど減る。



ふゆか 「24名って言っても漠然と選ばれた24人じゃないんだよね。スーパーエリート魔法学校、アルカレッド・フォーストでも選ばれた者にしか与えられない“刻印”ってのを持っているのがこの24人なのよ~。」


なつみ 「Ⅰ~ⅩⅩのローマ数字と寮長にはその寮の紋章が身体のどこかに浮かび上がっているんだよね。」


ちあき 「女の子達にもついてるやつ?」


なつみ 「そうそう。みんなそれぞれの寮の色のエースをね。」


みはる 「エースって刻印はそもそもないの?」


なつみ 「ないよ。新しくあたしが創った。特異体質の生徒たちだからね、学園初の異例のエース。」


ちあき 「なんかかっこいいな。」


ふゆか 「えー、話を戻すと。・・・つまり、スーパーエリート学校のなかでも選ばれた、スーパーウルトラハイパーアルティメット級のエリートがこの20人ってわけ。」


みはる 「小学生みたいな話の盛り方だね。」


なつみ 「まぁ、向こうの世界では実際そのくらいだと思うよ。一般の人は魔法すら使えないんだから。」


ふゆか 「そんな24人でクラスがあったり、寮があったり、部活があったりいろんなところで描かれる人間模様が乖離の箱庭の魅力ってわけ。」

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