二話妖怪組合
星ノ宮神社は古い歴史の中でも特別な神社だ。
私は弱い妖怪のため、人と仲良くする妖怪のための妖怪組合の副組合長をしている。
「ヤッホー!遊びに来たよ〜」
ガタガタっ!一斉に皆立ち上がって綺麗に揃ったお辞儀をする組合のメンバー。
「「「お疲れ様です珠姫様!!」」」
「お疲れ様〜昨日は変なのに絡まれたんだけど後始末は大丈夫そう?」
「はい、破壊された道路と塀の修理及び暴れた土蜘蛛は牛御膳様に預けて奉公するところまで完了しています。」
「相変わらず金孤は優秀ね。ご褒美に油揚げ買ってきたから後で食べなさい」
「珠姫様、有り難き幸せ!いっそう仕事に励みます!」
ガチャ
入ってきたのはヤのつく裏仕事の組長の如き風格を持った男。
「おい、暴れすぎだぜ珠姫の姉御。もう少し周りに被害なく抑えられねぇんですかい?」
「無理な相談ね、組合長。嫁だ食わせろって迫ってくる変態共はなまじ強力な奴らばかりよ。加減したところで言うことなんて聞かないし?キモいんだもの」
「キモっ、珠姫様、キモいはないだろ。まぁ、腐れ神だの毒蛙妖とかロクでも無いのはしょうがねぇですけどキレて鬼神化すると地面とか空間とか酷いことになるんで黒子たちでも修理が大変なんすよ。この酒呑童子と言えどできることと出来ないことがあるんですよ」
「何よ、怒らせるあいつらが悪い」
「……ごもっともで」
ひと睨みすると組合長の酒呑童子はすごすごと引き下がる。そう、大江山の酒呑童子だ。頼光に殺されて首だけになった酒呑童子を私が頼光とやり合った後に生き返らせて眷属にした。前世珠姫の頃の話だが、未だに珠姫と慕ってくれる良い奴だ。
私には沢山の眷属がいる。その中でも特に強力な四匹の妖がいて、
当時四天妖と呼ばれていた。その一角が酒呑童子だった。
「さて、姉御。お仕事の依頼ですが、千柳山の妖狼に子供が生まれまして名付け親になって欲しいとのこと。」
「えっ!?ロウちゃんのところ赤ちゃん生まれたの。もちろん引き受けるわ!」
「では、道中にある蕎麦屋『春日』の化け狸から新メニューのご相談も片付けてきて下さいね。」
「三郎さんのところね。帰りに寄ってそのまま晩御飯食べてくるわ」
「いってらっしゃい珠姫さま」
「行ってきます!」
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