第30話 村からの依頼

 何事もなく1夜がすぎ…


「あ、リーンさん、リリアさん、レインさんおはようございます。よく眠れましたか?」


「はい。ベッドや寝室なども貸してくれてありがとうございます。」


「いえいえ。部屋は余ってたので。」


 僕たちはあまねさんの教会で一夜を過ごした。部屋も余っていたらしく僕たち三人に個室をあてがってくれた。今は、僕たち三人とあまねさん、ラークさんがいる。ラークさんは猫の姿で寝ているけど。


「…あまね様。」


「あ、レイズ。おはようございます。どうかしましたか?」


 僕たちが朝食をとっていると、レイズが何かの紙をもって部屋に入ってきた。


「マーダ村の長から依頼が届きました。」


「エレノアさんですか?」


「はい。村の近くの森にモンスターが活発化しているようで、調査を依頼してきました。」


「そういえば…私たちはギルドからここの道中にモンスターの活発化が確認されていると言われました。」


「その村は王都の道中の森の近くに位置しています。あの村は戦闘ができる村で有名なのですが…私たちに頼るのは珍しいです。」


 たぶん狩人の村とかなのかな?


「そうですね…しかし、助けを求めている相手を見捨てることなどできません。依頼の受注をお願いします。」


「もう既に完了しています。あまね様がこうなるのはわかりきってましたし。」


 こうなることを見越してたのか…


「僕たちも同行していいですか?」


 さすがに、見て見ぬふりはできないしね。一宿一飯の恩もあるし。


「ええ、助かります。予想ですが沢山のモンスターがいるはずです。頭数は欲しいところでした。レイズはフェルスさんを連れてこれますか?」


「わかりました。どこにいようと5分で連れてきます。」


 そのまま、彼は玄関に向かっていった。


「ラークさんと私、そしてレインさん達は村に行きましょう。先導は私たちが。」


「わかりました。リーンとリリアもいい?」


「レインさんがいいのなら私はついていくだけです!」


「最近出番少なかったのでな。存分に暴れさせてもらうのじゃ。」


 ラークさんはたたき起こされてからオオワシ(人が一人乗れるくらいには大きい)に変身。僕とリーンとイリアの【女王の影】は高速移動用の魔道具(飛行可能)を身につけてその村へと向かった。

 レイズは一人魔王領にいるフェルスさんを迎えに行った。

 …ちなみに、この魔道具の説明をした時にラークさんは驚き、リーンとイリア、あまねさんは諦めの表情を浮かべていた。ナンデ?


 side:???


「ククク…さて、どんな強者がくるのかな?」


 その者は森の一角でたたずんでいた。黒いローブに身を隠した彼はうずうずと。ケタケタと。


「さて、どうなるかな?」


 狂気は黒く。赤く。森はざわめいていた。

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