第27話 アウヴァーロ領と、こはれ教

「えーっと…これからどうしようか…」


「そうですね。ここからだと大体3日程度かかりますから…食料と消耗品を揃えて…テントなどはレインさんが用意してくれますか?」


「うん。わかった。結界とかの魔道具も作っておくよ。」


「我は何をしたほうがよいかの?」


「そうですね…買い物を任せていいですか?私はギルドで道中の情報を集めるので。」


「そういえば、あの転移魔法は使えないのかの?」


「つかえるけど…急に行くとね。あっちにも用意とかあるだろうし使わない予定だよ。」


「確かにそうじゃな。」


「馬と馬車などの足はギルドが用意してくれるのでそちらは心配ありませんね。」


「わかった。それじゃあ、各自準備しようか。」


 そして僕たちは各自準備をするのだった。


 ☆said:アウヴァーロ領


「教会から何か返答はあったか?」


「はい。『魔族を受け入れた逆賊には裁きを受けてもらう。』と返答がありました。」


「はぁ…あの狂信者共め…過去の栄光に縋る老害はさっさと世代交代をしてほしいものだ…」


「しかたありません。過去のものとは言え、影響力は相当なものです。」


 私はこの領地は魔族達の協力があって成り立っていると思っている。

 元々この地域は戦争などで荒れ果てていた。しかし、魔族達が色々な技術を提供してくれたお陰でここまで発展できた。


「国への武器支援要請はどうだ?」


「はい。順調に進んでいます。先程手配がすみ4日後に到着予定でございます。」


 順調なようだな。


「わかった。一日でも早く届くように急がせてくれ。それに、魔族達を魔王国に避難させることも急いでくれ。」


「かしこまりました。」


 そういって、側近は部屋を出ていった。


「はぁ…なぜ平和なこの時に戦わなければならんのだ…」


「こんにちわ~」


 ノックもせずに女性が入ってきた。その女性は白を基調とした巫女服を着ていた。


「おぉ。あまね様ようこそ。」


「別にそんなにかしこまらなくていいですよ?」


「いえいえ。あまね様にはお世話になっておりますので。」


「私のほうこそ私達の教会を設置してくれて助かってますから。」


 いつもの押し問答を経て要件を聞いた。


「そういえば、なぜこちらに?」


「魔族の撲滅を掲げる教会が攻めてくると小耳に挟んだのでその確認をと思いました。」


「…もしかして扉の前にいました?」


「ナイショです♪」


 これだけがあまね様の悩みどころだ…

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