第23話 パーティー名が決まった。(白目)

「さて…どうしようか。」


「なんじゃ。目の前にして怖気づいてしまったのかえ?」


「レインさんがそんなことするわけないですよ!」


 僕たちはタルト様に会うためにギルマスの紹介状(タルト様からの命令状)を携えて王城の門前に来ていた。


「いや。結局決まらなかったからね…パーティー名。」


「そうですね…クエスト中だったらいい名前が出ると思ったんですが。」


「えー。【レインと愉快な仲間達】でええじゃろ。」


「嫌です!」「さすがに却下だよ。」


 すっごい恥ずかしいんだよ…それ。


「うーん…」


 なんかいいやつないかなぁ…

 そんなこんなで手続きが終わりタルト女王に謁見する事になった。


「今日はよく来たな。レイン、リーン、イリア。」


「いえ、謁見を許してもらい有難うございます。」


 僕が少し前に出てリーンとリリアは膝をついて挨拶をした。


「そう固くなるな。顔を上げてくれ。」


「お言葉に甘えて、失礼します。」


 顔を上げると少し高いところにタルト女王が玉座に座っておりその隣に若い宰相がいた。というか、それ以外人がいなかった。一応、抗探知系統の魔道具を起動してっと…


「えーっと…タルト様?」


「なにかな?」


「兵士達は何処に…?」


「外のほうで待機してる。レインがいるから近づけるなと言ってもこれだけは譲れないとそこの頑固頭が言ってきかないのだよ…だから、彼女どころか出会いがないんだ。」


 そう言うと宰相の少年が言い返した。


「だ!か!ら!彼女のことは関係ありませんよね!というか、タルト様も彼氏いませんよね!」


「私は心に決めた相手がいるからな。政略結婚?そんなもの相手国を破滅させればいいことだ。」


「あー!この女王めんどくさい!」


 …あぁ。この感じ懐かしいなぁ。

 後ろの二人が圧倒されてる空気が伝わってくる。


「久しぶりだね。カニ宰相。」


「はぁ…はぁ…久しぶりです。レインさん。助けてください。」


「えーっと…たぶん手が付けられないから任せたよ。」


「あぁぁああぁぁあ!」


 …この子はカニ。元々難民の子供でスラム街に捨てられた過去がありたまたま通り掛かった僕とタルト様が拾い、王宮で育てることになった。そして、頭がよく才能があったのか、闇が渦巻く王宮の中で宰相の地位に最年少で就くことになった。

 ちなみに、身長はしょうがないとして顔が麗しい感じでよく「カニちゃん」とタルト女王に言われてたりする。カニ宰相は「ねぼすけタルト」って言ってたりもする。


「さて、そろそろ本題というかパーティーの名前だが、決まったのか?」


「えーっと…」


 どうしよう…うーん…


「あ、そうだ。タルト女王陛下、パーティー名は裏の名前で隠せませんか?」


 ずっと固まっていたリーンが復活してこんな提案をした。


「ほう。どういうことかな?」


「簡単に言えば懐刀といったところです。」


「決まりだな。」


 いや、なにが!?


「パーティー名は【女王の影】でいいだろう。カニ。手続き頼めるか?」


「どうせ、拒否できませんよね。分かりました。」


「ふむ…まあ、よいじゃろ。父上に隠密性能高い服でも要求するかの。」


 僕抜きで話がドンドン進んで行く。というか、みんなの目が怖すぎる。

 あー!もう、どうしてこうなる!(白目)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る