第20話 その後…どうしてこうなった!

やっぱりヴァルナは戦い方が綺麗だね。


簡単に言うと舞うように的確に無力化させていった。


ときには鎧の隙間に光のナイフを突き刺し、ときには鎧ごと叩き切り、ときにはただ殴って気絶させた。


「この程度でよろしいでしょうか?」


「うん。ありがとう。ヴァルナ。」


さてと…あとは…


「な、な、な、何なのだ貴様らは!」


「ただの庶民ですよ。」


「な、なら、今すぐここから立ち去れぇい!わ、我はこの国の宰相だぞ!」


「そうなんですか。でも、小さい女の子を襲っている時点で信じられますか?ちょっとだけ聞いてましたけど次の王女様なんですよね?襲う意味がどこにあるんですか?宰相なら。」


「くっ…下賤なゴミの分際で口を挟むんじゃない!」


「そうですか。では、これで。」


僕は自称宰相を置いて歩き出した。もちろん、次期王女様はヴァルナが背負っている。


「では、これで。」


「ま、まて!背負っているやつをおいていくんだ!」


「なら、自分で取り返してくださいね。」


――――

さてと…どうしよう。


「どういたしますか?この御方は人間の中で上位の存在らしいので適当に扱うわけには…」


「そうだね…ここから王都に行くのなら一夜は過ごさなければ行けないし…今日はここで泊まるか。」


ちなみに、あの人は追ってこなかった。まあ、来てたら返り討ちにしてたし諦めないだろう。油断は禁物かな。

僕達は王都から離れた草原で休むことを決めた。ここだとバレちゃうかもしれないし…あれ使おうかな。僕は懐から魔道具を取り出し魔力を流して開いた。


【起動∶我が家への道】


この魔道具はそのままの意味で自宅への入り口だ。たまたま見つけた異次元の狭間に建てた僕の家に繋がる道を出現させるための魔道具だ。


「ヴァルナはこの子を客間まで運んでくれる?」


「かしこまりました。ご主人様。」


「別に気楽に話してくれてもいいんだけど…今更かな。」


僕は自宅へと入った。


――――――

「はー。疲れたー…」


「お茶でございます。」


「ありがとう。ヴァルナ。」


やっぱりヴァルナの淹れてくれる紅茶は美味しいな。


「ふむ…この紅茶は美味しいな…王族である私ですら唸るレベルだ…」


「ご主人様のメイドとしてこの程度は完璧であらねばなりませんので。」


「やっぱりヴァルナの紅茶はおいし…って、なんでさらっと起きてて紅茶飲んでるの!?」


「おっと、これは済まない。自己紹介が遅れたな。私はこの国の第一王女候補。タルトだ。」


「えっと…僕はレインでこっちのメイドがヴァルナ。僕の「婚約者」じゃなくて、従者兼護衛。」


毎回自己紹介するときに婚約者って入れるのやめようね?


「そうか…それで私を助けた目的は?」


「目的?んー。たまたま近くにいたから?」


「あとは?」


「それだけだよ?」


「ふむ…ここは?一見あなたの自宅に見えるが…」


「そうだよ。と言ってもスペースを間借りしてるだけだけどね。」


「賢者か?貴方は。」


「いや?僕はただの支援役だよ。」


「と、言っていますが普通と考えないでくださいね。」


「なるほどな…」


そして僕はこれからの話をするのだった。


―――――――――――――――――――――

過去編?はここで一区切りです。そろそろ現実進行させないとまずい…

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