第21話 パーティ結成の条件
僕達は明日に備えてリリアの服や消耗品などを市場で買ってから宿で寝た。リリアが僕の部屋で寝るとか言い始めたせいでリーンも僕の部屋で寝るとか言い出して沈静化するのにめっちゃ時間かかった…最終的には僕が床で寝ることにして終わらせたけど…
そして、朝食を食べたりして準備を終わらせて冒険者ギルドに来たのだけど…
「なんとなく嫌な予感がする…」
ギルド前には豪華な馬車が止まっていた。あといかにも騎士の格好をした人も。
「豪華な馬車…しかもこれ王族専用のやつじゃないですか?」
「ふむ…敵かの…?」
ギルドの前に馬車が止まってるんだよね。しかも王族専用。つまり…
と、その時ギルドの中からある人物…というかこの状況を作った人物が出てきた。
「やあ、レイン。こうして会うのも久しぶりだな。」
予想通りタルト王女がギルドの中から現れた。
「はぁ…なんでいるのかな…」
「たまにはこうして会うのもいいだろ?」
「またギルマスに迷惑かけたな…いいけど。」
とりあえずギルドの中に入るとそのまま応接室の中に案内された。
「あのなぁ…レイン。お前は俺の胃をボロボロにしたいのか?」
「ギルマスの胃は魔鉄だから問題ないでしょう。」
「なわけねぇだろ!?」
この暑苦しそうな見た目の人はギルドマスターのグスタルフェン。厳つい見た目なのに毒を扱うのが得意な人だ。
「はぁ…とりあえずこの子が魔族のお姫様ってことは把握した。そして、ギルドカードも手配済みだ。あとはパーティー結成の申請も許可しておいた。」
「速いですね。」
普通は申請から一週間くらいはかかるはずなんだけど。
「王女様からの依頼もとい命令だからな…報酬として貰うもんは貰ったけどな。あとは…条件があるらしいんだよ。王女様からな。」
「条件?」
「それは私から説明しよう。」
「なんですか?早くしてください。」
「リーン?トゲトゲしてない?」
「気の所為です。」
返答が高速で帰ってきた…なんか目のハイライトが消えてる気がする…
「話していいか?」
「あ、すみません。どうぞ。」
「と、言っても簡単なことだ。私の直属のパーティになって活躍してくれるだけでいい。」
「直属ですか?」
「あぁ。このパーティは新人としては異例の速度で昇格をしたリーン。言わずもがなレイン。そして、魔王の娘であるイリア。ぶっちゃけどうせすぐにしでかすだろうな。主にレインが。」
「いやいや…そんなわけ…」
「でしょうね。レインさんだし。」
「じゃろうな。レインじゃし。」
「そうだろうな。レインだし。」
「みんなひどくない!?」
今まで普通のことしかしてないよ!?
「とまぁ、後々勢力争いに巻き込まれるなら直属にしておけば楽だろうという判断だ。異論はあるかな?」
「ありません。」
「我もないぞ。」
「はぁ…やればいいんでしょ。」
こうなったらやるしかないか…
「よし。あとはパーティの名前だけ決定すれば完了だな。」
とりあえず明日まで保留にしてもらって今日のところは帰ることにした。
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