第18話 レインとタルトの出会い。
「んー!そろそろ王都かな。」
王都から一番近い転移ポイントから歩いて半月。
冒険者ギルドに冒険者登録のために王都を目指していた僕は小休憩のために木陰で休んでいた。
「あと2日くらいか…あとは森を突っ切るくらいかな…」
僕はあと少しで王都が見えるとわかると森に向かって歩き出した。
―――――
「ん…?」
僕が異変に気づいたのは森に入って少ししてからだった。
あっちの方から金属音のようなものが断続的に響いていた。
「うーん。何があるかわからないし一応見に行ってみるか…」
一応護身用の魔道具もあることだしここらへんでちゃんと使えるか試さないとね。
僕がその音の方向に向かって走っていると…
「フハハハハハ!この国の次期王女ともあろう人が地面に這いつくばっているなど珍しいな!そう見れるものではないな!」
うーん。絶対にめんどくさいじゃん。これ。
この国は最初に生まれた人を王もしくは王女として代々続いてきた国だ。男だけを王にする国と違っていい制度だと思う。しかも、無能と判断されたら長男もしくは長女に権利が移るので長く繁栄出来たのだろう。
そして、この声を聞く感じ…最初に生まれたのが女性で次に生まれた長男を王にしようとする人がこんなことをしたのだろう。
「んー。お、見つけた。」
そんなこんなで僕はその現場にたどり着いたわけだが…馬車は横転してて周りには護衛と思われる人達の死体。そして、女の子を取り囲む人達。
「はぁ…めんどくさいなぁ…まぁ、助けないわけには行かないけどね…」
もしかしたら女の子の方が悪いかもしれないけどそれはそれ。この状況で助けなきゃ僕じゃないしね。
『無力な者に反旗を掲げる力を。LV.5
これでとりあえず怪我はしなくなったかな。あとは…
「起動∶召喚石
僕は魔道具を取り出して仲間を呼んだ。
「召喚に応じ馳せ参じました。ご主人様。」
僕の目の前の足元に魔法陣が出現してそこからメイド服に剣を携えた女性が現れた。
「毎回思うけどなんでメイド服?ヴァルナ?」
「私はご主人様に一生尽くす存在ですので。」
この子はヴァルナ。僕が実験してたら呼び出しちゃって色々としてるうちに懐かれて元のところに戻すときには僕と主従契約を強引に結ばれた困った人だ。あと何故かメイド服着てる。
「僕の護衛を頼める?」
「仰せのままに。」
そして僕は隠れていた木から出ると言った。
「こんにちはー。」
うん。我ながら意味のわからない第一声だな。アホか。
身なりが綺麗なお兄さん?がこちらをすごい勢いで向いた。うん。次の言葉が容易に予想できる。
「「だ、誰だキサマは!」」
予想当たりー。
そして僕の方に女の子を囲んでいた人の半分くらいがこちらに剣を向けてきた。
「とりあえず、その女の子を助けていいかな?」
そして、ヴァルナが動いた。
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